新興市場のPER、先進工業国を上回る-高成長や安定を評価

1990年代、ブラジルの年間インフレ率は平 均1000%を超え、韓国は国際通貨基金(IMF)から570億ドル(約6兆7400 億円)に上る救済資金を必要とし、ポーランドでは首相が9回交代した。

しかし現在は、投資家の間には新興市場について、米国や欧州、日本と同 じ位安定しているとの見方や、先進国の3倍のペースで成長しているため高い 評価を受ける資格があるとの見方が広がっている。

新興市場の株式相場は現在、予想利益ベース株価収益率(PER)が15.2 倍と、先進工業国の14.9倍を上回っている。2005年には新興市場のPERは

8.45倍と、今とは逆に先進工業国の17.3倍を下回っていた(ブルームバーグ・ データ)。

現在までにブラジルのブランデスコ銀行のPERが米シティグループを上 回り、韓国の鉄鋼メーカー、ポスコのPERも同業でドイツのテイッセンクル ップを超えた。最近の世界的な株安局面でも、インド、ペルー、チェコの株式 相場の下げは、米国や西欧諸国より小幅だった。

クレディ・スイス・グループの米州富裕層向けサービス部門の最高投資責 任者、ロバート・バイセンスタイン氏は「状況は変わった」と指摘。新興市場 の株式相場は「市場の発展に伴い、より高い評価を受ける可能性があるし、ま たそうであるべきだ。成長に対する見返りということだ」と語った。

IMFとブルームバーグのデータによると、今年の全世界の予想成長率に 対する新興市場の寄与率は5割以上。現在の全世界の外貨準備高(5兆6800億 ドル)に占める新興国の割合も5割を超えている。ブラジルのインフレ率は4% を下回る水準に低下し、韓国はすでに純債権国となっている。