6月経常黒字は前年比48.4%増、6カ月連続増加-所得黒字は減少

財務省が13日発表した国際収支状況によ ると、6月の経常収支黒字は前年同月比48.4%増の1兆5203億円と、黒字額 は6カ月連続で増加し、6月としては1985年以降過去最大の規模となった。 海外証券投資などから生じる所得収支の黒字が減少したものの、円安などを背 景に貿易黒字が拡大し、全体の経常黒字の拡大に寄与した。

発表によれば、貿易黒字は同56.8%増の1兆3524億円、所得収支黒字は前年 同月比2.6%減の4568億円となった。所得収支黒字は6カ月ぶりの減少。ブルー ムバーグ・ニュースが事前に民間エコノミスト28人を対象に調べたところでは、 6月の経常黒字額の予想中央値は1兆6095億円だった。

貿易収支と所得収支は経常収支を構成する2本柱。貿易収支は、資源価格 上昇の影響で輸入額が増勢基調にあるものの、堅調なアジア、欧州向け輸出に 支えられ、黒字傾向を維持している。一方、過去に投資した資産からの配当や 利払いなどの所得収支は、円安の影響もあり、黒字幅が拡大傾向にある。

所得黒字は今回減少したものの、バークレイズ・キャピタル証券の会田卓 司、永井祐一郎の両エコノミストは発表前のリポートで、所得収支では6月は 配当金や債券利子が前月比減少する傾向にあるものの、「6月としては堅調な 結果であった」と述べていた。

6月の輸出額は前年同月比16.1%増の6兆9288億円、輸入額は同9.2% 増の5兆5764億円だった。所得収支は「直接投資収益」の黒字が拡大したも のの、「証券投資収支」は3月期決算を受けた外国株式の配当金の支払いが増 えたため黒字幅が縮小し、全体として黒字が押し下げられた。

第一生命経済研究所の長谷山則昭・副主任エコノミストは発表後のリポー トで、所得収支の前年比マイナスは一時的としたうえで、「『直接投資収益』や 『債券利子』は黒字幅が拡大しており、所得収支の黒字は緩やかながらも増加基 調で推移する」と指摘。先行き復調していく米国経済はじめ、堅調な世界景気の 拡大に支えられて輸出の増勢も強まるとの見通しから、貿易収支も黒字幅は拡大 するとの見方を示している。

同省が7月25日に発表した6月の貿易統計速報(通関ベース)によると、 アジア・欧州向け輸出が引き続き拡大したことから全体の輸出額の伸びが輸入 額の伸びを上回った。対EU(欧州連合)輸出額は16.3%増、対中国は

22.6%増だった。対米輸出額も米国向け自動車輸出の拡大が寄与し同6.7%増 となったが、対EUや対中国に比べると伸び悩んでいる。

季節調整をかけると、経常黒字額は前月比8.1%減の2兆467億円(調査 対象15人の事前予想の中央値は2兆1862億円)。

07年上半期は経常・所得収支ともに過去最大

また、2007年上半期の経常収支は前年同期比31.3%増の12兆4702億円、 所得収支は同20.3%増の8兆4614億円と黒字幅を拡大し、いずれも85年以降、 暦年半期ベースで過去最大を記録した。

貿易収支は同43.7%増の5兆8612億円で、輸出が同12.4%増の38兆 3534億円、輸入が同8.1%増の32兆4922億円となった。所得収支の黒字額が 貿易収支の黒字額を上回るのは05年上半期以来、5期連続。

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