円の上昇は終わりか-日本の成長は鈍化、利上げは遅れる見通し

7週間にわたる円の上昇は終わりを迎えそ うだ。

JPモルガン・プライベート・バンクと三菱UFJ投信は円安方向をみて いる。5カ月連続の消費者物価下落が日本銀行の利上げを遅らせると予想して いるためだ。利上げが遅れれば、円は一段と上昇する理由がなくなる。

日本の成長率は2007年1-3月(第1四半期)の3分の1未満に落ち込ん だとみられる。世界的な信用収縮は日銀に利上げをためらわせるだろう。円は 先週、前週末比0.29%下落の1ドル=118円40銭で終了した。

オッペンハイマーファンズの国際債券ポートフォリオマネジャー、ロバー ト・ロビス氏は「日本側には円が上昇する理由がない」として、「経済指標は改 善よりもむしろ悪化しているようだ。消費やインフレが加速しなければ、日銀 が利上げを正当化するのは難しい」と話した。

円は6月22日に付けた年初来安値の1ドル=124円13銭から4.64%上昇 している。上昇率は主要16通貨中で最大。2番目のスイス・フランの上昇率は

2.55%だ。

ブルームバーグ・ニュースが実施したエコノミスト調査によると、13日発 表される4-6月(第2四半期)の日本の国内総生産(GDP)は0.9%成長と、 第1四半期の3.3%成長から減速が見込まれる。国際通貨基金(IMF)は先週、 日本の07年インフレ率はゼロとの予想を示した。

クレディ・スイス・グループが金利スワップの動向からまとめたところに よると、8月22、23日の次回日銀会合で0.25ポイントの利上げが決まる可能 性は10日、26%と前日の64%から低下した。

大きな流れ

JPモルガン・プライベート・バンクの主任為替トレーダー、ポール・バ レット氏は「大きな流れは依然、円安だ」と指摘する。

日本の投資家による円のショートポジション(売り持ち)は今月、1日平 均230億ドル(約2兆7200億円)超に増加した。7月の1日平均は210億ドル (ブルームバーグ算出)。

円は先週下落したものの、現水準は依然、ブルームバーグ・ニュースの調 査に答えたエコノミスト43人中36人の予想を上回る。予想中央値では10月ま でに1ドル=121円まで円安が進むとみられている。

三菱UFJで運用に携わる太田順也氏は、現在の円相場の水準は小口投資 家に売りの好機を与えていると指摘した。

円は6日、1ドル=117円19銭と3月以来の高値を付けた。米国のサブプ ライム住宅ローン関連証券や社債市場での損失への懸念が背景にある。市場の 不安は低金利の円で調達し高利回り資産で運用するキャリートレードの後退に つながり、円が買い戻されやすくなる。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロンの世界市場グループ世界戦略担当デ ィレクター、サマルジット・シャンカー氏は「サブプライムをめぐる懸念が消 え去ることはない」と話す。

一方で、日本の投資家は金利の高いオーストラリアやニュージーランド、 ブラジルなどの国債に投資すれば、日本よりも少なくとも5ポイント高いリタ ーンを得ることができる。JPモルガンのバレット氏は「金利差は依然、キャ リートレードを再び活発化させるのに十分だ」と話している。

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