世界的株安で一部LBO案件は再交渉も、TXUやSLMなど

このところの世界的な株安は、TXUやS LM、ファースト・データなどレバレッジド・バイアウト(LBO)の対象企 業の株価を下落させた。一部の案件は再交渉となるのではないかとの観測が浮 上している。

プライベートエクイティ(未公開株)投資会社が割高な価格での買収に合 意した背景には、資金調達コストの低さと銀行が融資を約束したことがある。 状況の変化を受けて、投資会社は条件を見直し始めている。住宅関連小売り大 手の米ホーム・デポは9日、6月に売却で合意した建設資材部門の売却額を引 き下げる可能性を示唆した。

投資会社のための案件発掘を手掛けるチェスナット・ヒル・パートナーズ のマネジングパートナー、ポール・シェイ氏は「金融環境が引き締まるにつれ て、各社は何が有利で何が不利かを見直さざるを得なくなった」と話した。

米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン関連の損失を受けて、 投資家のリスク回避志向は高まり、幅広い信用商品が下落した。下げは株式市 場にも広がり、ダウ工業株30種平均は9日に2.8%安となった。

今年発表済みの買収案件の総額は3兆1700億ドル(約373兆円)。そのう ち7126億ドル相当はLBOだった(ブルームバーグ調べ)。投資家はこれらの 買収代金に充てる社債や融資債権の購入を手控え、幾つかの案件は行き詰って いる。世界最大の菓子メーカー、英キャドバリー・シュウェップスは部門売却 の時期を先送りした。

ニューヨークの法律事務所、ジョーンズ・デーのM&A責任者、ロバート・ プロフセク氏は、2、3月ごろとは環境が変わったとして、「大型案件が撤回さ れるとは思わないが、勢いが違ってきた」と話した。

電力会社TXUの株価は過去1カ月で6.6%下落し63.65ドル。投資会社が 合意した買収価格は1株当たり69.25ドルだった。米学資ローン最大手のSL M(サリーメイ)は7月に付けた今年の高値から17%下落し48.20ドル。買収 合意額は60ドルだった。クレジットカード決済のファースト・データの株価も

31.05ドルと、買収合意額の34ドルを下回っている。