米国債(10日):小反落、FRBの資金供給で値上がり分を失う(2)

米国債相場は小反落。米連邦 準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)が2日連続で市場 に資金を供給したことを受けて、米国債相場はそれまでの上昇分を切り 詰めた。2年債利回りは一時18カ月ぶりの低水準まで下げていた。

米連邦準備制度の公開市場操作を担当するニューヨーク連銀は10日、 3回のレポを通じ、金融システムに合計380億ドル(約4兆4950億円) の資金を供給した。供給規模は対米同時多発テロが起きた2001年9月以 来で最大。サブプライム(信用力の低い借り手向け)住宅ローン担保債 の破たんでゆれる市中銀行の現金需要に対応した。

みずほ証券USAの米国債トレーディング共同責任者、セオドア・ エーク氏は、「欧米の中央銀行は、流動性ひっ迫を阻止すると主張して いる」と指摘。さらに、「不良債権の問題について当局は何としても流 動性を供給する見込みだ」と語った。

キャンター・フィッツジェラルドによると、午後4時20分現在、2 年債利回りは前日比1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイント)未 満上昇し4.46%。一時は4.34%と2006年1月以来の低水準を付けた。 2年債価格(表面利率4.625%、償還期限2009年7月)は1/32未満下 落し100 10/32。

10年債利回りは前日比2bp上昇し4.80%。今月6日には2カ月ぶ りの低水準に当たる4.66%を付けていた。ブルームバーグ・ニュースが まとめたエコノミスト調査によると、10年債利回りは第3四半期には

4.92%、年末には5.01%と見込まれている。

10年債利回りは2年債利回りを34bp上回っている。これは05年 7月以来最大の格差。

週間ベースでの推移

週間ベースでは2年債利回りは3bp上昇、10年債利回りは11bp 上昇した。2年債利回りは9日には22bp近く低下。過去3年で最大の 低下幅だった。

ICAPによると、ニューヨーク連銀による資金供給を受けて、米 短期金融市場ではフェデラルファンド(FF)金利が誘導目標 (5.25%)を下回る5%に低下した。同金利は6%と、取引開始水準と しては2001年以来の高水準で始まっていた。

流動性の供給

ロック・リッジ・アドバイザーズのマネジングパートナー、ウッデ ィ・ジェイ氏は「FRBや他の中銀各行は総じて期待に応えた。つまり、 市場に波乱が生じた時に流動性を供給した」と語った。

サブプライム住宅市場の悪化で他の種類の担保証券についても不安が 広がるなか、投資家は銀行への資金提供に消極的になっている。こうし た展開が短期市場金利の上昇となって表面化した。

FRBはこの日は公開市場操作を通常より早いニューヨーク時間8 時前に開始した。ニューヨーク連銀は、サブプライム問題を発火点とす る市場の動揺を抑えるため、まずはレポ対象担保を住宅ローン担保証券 (MBS)に限定して190億ドルを供給。その後、MBSと機関債、米 国債を担保として160億ドルを追供給した後、午後に入りこの日3度目 のレポで30億ドルを追加供給した。ニューヨーク連銀は9日には、4月 以来最大規模の合計240億ドルを金融システムに供給した。

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