TOPIXは安値、銀行中心に8割超下落-サブプライムショック(2

東京株式相場は大幅反落。TOPIXは年 初来安値を更新し、06年12月11日以来の安値水準となった。仏BNPパリバ の傘下ファンドの凍結で、米サブプライム(信用力の低い個人向け)ローン問 題に端を発した信用不安が一段と高まり、リスク資産への投資が手控えられた。

三井住友フィナンシャルグループなどの銀行株中心に幅広い銘柄が下落。 キヤノンやトヨタ自動車などの輸出関連株のほか、これまで上昇してきた商船 三井や三菱商事といった海運株や大手商社株も下げが目立った。東証業種別33 指数は30業種が下落し、東証1部上場銘柄の8割超が値下がりした。

日経平均株価終値は、前日比406円51銭(2.4%)安の1万6764円9銭、 TOPIXは同49.88ポイント(3%)安の1633.93。東証1部の出来高は概算 で33億5413万株。値上がり銘柄数は235、値下がり銘柄数は1445。

大和住銀投信投資顧問の岩間星二ファンドマネージャーは「グローバルに リスク資産のポジションを閉じる流れが続けば、世界の株式相場、ひいては日 本の株式相場への影響は避けられない。ヘッジファンドの破たんや解約などが 今後も出て来る可能性があり、信用収縮がどこまで続くか懸念している」と話 していた。

この日の日経平均は取引開始直後から急落。取引終了にかけてさらに下げ 幅を広げ、この日の安値圏で終えた。世界的な株式相場の先行きに不透明感が 漂うなか、週末を控えて持ち高を整理する売りも出たようだ。

投資家心理を不安にさせたのは、仏最大の銀行、BNPパリバ傘下の資産 担保証券(ABS)関連ファンド3本の凍結。BNPパリバの広報担当による と、凍結したファンドの資産総額は7日時点で16億ユーロ、過去2週間で20% 下落したという。米サブプライムローンを裏付けにした証券などに投資する金 融機関の損失が徐々に広がりを見せており、先行き不透明感が強まった。

米住宅問題をきっかけに世界の投資資金がリスク回避姿勢を強めており、 外国為替相場では円高傾向が鮮明になった。東京外国為替市場ではドル・円相 場が一時、1ドル=117円72銭まで円が上昇した。前日は一時1ドル=119円 77銭の円安水準を付けていただけに、円キャリートレード(円借り取引)の巻 き戻し懸念が高まった。安田投信投資顧問の茶野宏ファンド運用部長は「世界 の金融市場で需給の混乱をきたしている。過剰流動性が収縮するのではとの懸 念が出ている」ことを指摘していた。

世界のマネーフローが変調するなか、米住宅問題による損失懸念から世界 的に金融株から投資資金が引き揚げられており、日本の金融株にも売りが広が った。東証1部の売買代金ランキング上位には、みずほフィナンシャルグルー プや三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ が並び、売買を伴って売られた。東証1部銀行指数は3%下落し、TOPIX に対する下落寄与度2位となった。

金融市場の流動性を確保するため、日本銀行は10日、午前9時20分の定 例金融調節で即日実施の資金供給1兆円を通知した。欧州中央銀行(ECB) は9日、オペで948億ユーロ(約15兆3000億円)という過去最大の資金供給 を実施。ニューヨーク連銀も金融システムに合計240億ドルの準備を供給して いた。投資家からは日銀の動きに関して、「流動性を確保するため、世界に協 調する姿勢を見せたことは評価できる」(安田投信の茶野氏)との声が聞かれ た。

前日の欧米市場の大幅安に続いてアジア市場も軒並み安となり、世界同時 株安の様相となった。中国シンセン総合指数、韓国総合株価指数、加権指数は いずれも2%以上の下げとなった。

業績不振のアビリットが下落率1位

個別では、業績面で悪材料を出した銘柄に売りが先行した。新基準のパチ スロ遊技機の購買意欲が低調で通期(07年12月期)経常損益予想を赤字に修正 したアビリットが東証1部の下落率1位。支払利息や販売管理費などの増加で 第1四半期(4-6月)連結営業利益が前年同期比24%減となったオリックス はストップ安(制限値幅いっぱいの下落)。第1四半期で上場来初の営業赤字 を計上したテイクアンドギヴ・ニーズもストップ安。

半面、米高級百貨店「バーニーズ・ニューヨーク」の買収を断念したファ ーストリテイリングが続伸。プロダクトミックスの改善や円安を理由に通期の 業績予想を上方修正したマブチモーターも買われた。

新興3市場は年初来安値

新興3市場でも投資資金がリスク資産から逃避する動きがみられた。ジャ スダック指数が前日比0.7%安の75.44、東証マザーズ指数は同1.8%安の762.53、 大証ヘラクレス指数は同2.1%安の1255.19と、いずれも年初来安値を更新した。

ジャスダック市場では、顧客の在庫調整の影響などで通期(07年12月期) の当期純損失予想を5億3300万円から29億9000万円に拡大修正したユー・エ ム・シー・ジャパンがストップ安。第1四半期(4-6月)の連結経常損益が 一転して1億7400万円の赤字に落ち込んだ国際計測器も売られた。半面、08年 6月期の連結経常利益予想を前期比80%増と見込んだトラストワークスがスト ップ高(値幅制限いっぱいの上昇)。

東証マザーズ市場では、販売できる広告枠の減少などから07年12月中間 期業績予想を下方修正したアジア・メディア・カンパニー・リミテッドのほか、 新株と転換社債型新株予約権付社債(CB)で300億円を調達すると発表した アルデプロが下落した。半面、第1四半期の連結経常損益が黒字転換したネッ トエイジグループが買われた。

大証ヘラクレス市場は、福井ケーブルテレビによる映像伝送実験への支援 の遅れが影響して通期(07年6月期)の連結経常利益が前期比22.7%減となっ たIRIユビテックが下落。半面、07年9月期第3四半期の連結経常損益が黒 字転換したオープンループがストップ高。