ECBが無制限の資金供給、過去最大に-サブプライムで信用収縮(5

欧州中央銀行(ECB)は9日、米サブプラ イム住宅ローン関連で混乱が広がるなか、市中銀行からの即座の現金需要に対応 するため、金融ひっ迫の緩和に向けた緊急措置として、オペで948億ユーロ(約 15兆3000億円)を市場に供給。ECBは無制限の資金供給を表明した。

ECBによる資金調整オペとしては過去最大規模。米テロ攻撃の翌日である 2001年9月12日に同中央銀行が実施した693億ユーロの流動性供給を上回った。

フランスの銀行最大手、BNPパリバはこの日、資産担保証券(ABS)関 連のファンド3本の凍結を発表。ファンドの資産を「公正に」評価することが不 可能になったことを理由に挙げた。

この発表をきっかけに、金融市場では不安心理が広がり、翌日物ドルLIBO R(ロンドン銀行間取引金利)は5.86%と、6年ぶり高水準に急騰。また翌日物 ユーロLIBORは4.31%に跳ね上がった。

翌日物LIBORの急上昇は、投資家が米住宅ローンに関連した損失を理由 に投資を手控えるなか、金融機関がマネーの供給を縮小していることを示した。

コメルツ銀行のコマーシャルペーパーのトレーダー、サハー・ビン・ジュン 氏は「サブプライムをめぐる不安を背景に、投資家らが資金を循環させなくなっ ているため、市場の流動性は完全に枯渇した」と指摘。「出し手は投資家の呼び 込みに努め、金利水準が昨日から劇的に急上昇した」と語った。

また、米連邦準備制度の公開市場操作を担当するニューヨーク連銀は9日、金 融システムに合計240億ドル(約2兆8400億円)の準備を供給した。供給規模は 4月以来の最大。ニューヨーク連銀はまず期間14日のレポで120億ドルを市場に 供給。その後、オーバーナイトのレポで同額を供給した。

ECBの行動で市場に緊張走る

ECBの緊急発表を受けて、金融市場では不安が増幅された。ダウ欧州株価 指数は前日比1.8%下落、また米S&P500種株価指数は約3%急落。安全投資 先として国債の需要が増したことから、米国債相場は4営業日ぶりに上昇、2年 債利回りは4.44%に急低下した。

ユーロはドルに対して0.9%安い1ユーロ=1.3676ドル。円に対しても 2.1%下落した。

アイルランド銀行のトレーダー、バリー・モラン氏(ダブリン在勤)は、 「ECBが行動を起こした1つのマイナス面は、同中銀がさらなる問題があると 示唆していると見られかねないことである」と語る。「投資家らは神経質になっ ている」と指摘した。

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