米国株:急落、ダウ387ドル安-信用不安広がり銀行や証券に売り(2)

米株式相場は下落。サブプライム住宅ロー ンの悪影響やヘッジファンドの損失が売り材料になった。この日の金融株は 2002年以来の安値に落ち込んだ。

LPLファイナンシャル・サービシズで運用に携わるジェフリー・クライ ントップ氏は、「恐怖がさらに恐怖を呼んでいる。知らないうちに市場は恐怖 感に席巻されているようだ」と述べる。

シティグループやJPモルガン・チェース、ゴールドマン・サックス・グ ループは、仏銀BNPパリバがサブプライムローンに関連したファンドを凍結 しったのが手掛かりとなり、売りを浴びた。ダウ工業株30種平均はこの日、 387ドル下落、S&P500種株価指数も約3%下げた。いずれも世界的な株安 が起きた今年2月27日以来で最大の値下がりだった。

S&P500種は前日比44.4ポイント下げて1453.09。ダウ工業株30種平 均は同2.8%安の13270.68ドル。ナスダック総合指数は56.49ポイント (2.2%)値下がりして2556.49で終了した。

この日は西欧の18株式市場でも下落。翌日物金利が上昇したほか、信用 市場への投資で損失を明らかにする銀行や証券会社がさらに増えるとの観測か ら売りが広がった。

ボラティリティーが上昇

ニューヨーク証券取引所(NYSE)の出来高概算は28億株。2002年7 月以来で最大だった。S&P500に採用されている産業別10指数は全て2%以 上の値下がりだった。

相場のボラティリティーを示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)の ボラティリティー・インデックス(VIX)は24%上昇し、26.48だった。

ゴールドマン・サックスのノース・アメリカン・エクイティ・オポチュニ ティーズ・ファンドは、年初以降7月27日までにファンドの価値が15%失わ れたことから、一部の保有資産を売却している。米紙ウォールストリート・ジ ャーナル(オンライン版)が9日、事情に詳しい関係者の話を基に報じた。ゴ ールドマンからのコメントは得られていない。この日の同社の株価は5.7%下 落した。

BNPパリバの広報担当によると、同社が凍結したファンドの資産総額は 7日時点で16億ユーロ。過去2週間で20%下落した。BNPパリバの株価は

3.4%下落した。

ホームセンター世界最大手のホーム・デポは5.3%安と、ダウ平均に採用 されている銘柄のなかで下落率トップだった。同社は自社株買い計画での支払 額の下方修正を発表。傘下の建設資材部門売却についてはベイン・キャピタ ル・パートナーズ、カーライル ・グループ、クレイトン・ダビリアー・アン ド・ライスの投資会社3社と売却案の見直しを協議している。この結果、売却 額が103億ドルから引き下げられる可能性があるという。

クレジットリスクも上昇

クレジット・デフォルトスワップ(CDS)市場が示唆する社債保有リス クも上昇した。フェニックス・パートナーズ・グループによるとCDX北米投 資適格級指数のCDSスプレッドは最大11ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)上昇し71bp。

この日の翌日物ドルLIBOR(ロンドン銀行間取引金利)は、5.35%か ら5.86%に上昇し、6年ぶりの高水準だった。

欧州中央銀行(ECB)は米サブプライム住宅ローン関連で混乱が広がる なか、市中銀行からの即座の現金需要に対応するため無制限の資金供給をする としている。また、米連邦準備制度の公開市場操作を担当するニューヨーク連 銀は金融システムに合計240億ドルの準備を供給した。

ファニーメイとフレディマック

ブッシュ米大統領は9日、米住宅金融のファニーメイ(連邦住宅抵当金 庫)とフレディマック(米連邦住宅貸付抵当公社)について、住宅ローン市場 への投資を拡大させる以前に「大幅な改革策」の実行が先決だと述べた。これ を受けて、ファニーメイとフレディマックの株価は下落した。

米上院銀行住宅都市委員会のドッド委員長(民主党、コネティカット州) ら議員は監督当局に、ファニーメイとフレディマックが購入できる住宅ローン 担保証券(MBS)や住宅ローンについて購入制限の緩和を求めている。

S&P500種に採用される株価指数のうち、エネルギー株で構成される株 価指数は3.4%下落。この日のニューヨーク原油先物相場は前日比0.78%安の 1バレル当たり71.59ドルだった。石油大手のエクソンモービルやシェブロン はいずれも下落した。