Fリテ:米バーニーズ買収を断念-ドバイ系投資会社に競り負け(4)

カジュアル衣料ブランド「ユニクロ」など を展開するファーストリテイリングは9日、米高級百貨店「バーニーズ・ニュ ーヨーク」の買収を断念したと発表した。買収合戦を展開していたドバイ政府 所有の投資会社に対して、これ以上買収提示額を引き上げないことを決定、辞 退することにした。

Fリテイリがバーニーズを保有する米アパレル大手ジョーンズ・アパレ ル・グループに提示していた価格は9億5000万ドル(約1140億円)。これに 対して投資会社イスティットマールPJSCが8日に提示した金額は9億4230 万ドル(約1100億円)とFリテイリを下回るが、買収合意を破棄する場合の 違約金(3470万ドル)負担を含めると実質的にはFリテよりも優位だった。

衣料ブランド「ユニクロ」や「セオリー」のブランドで1800店舗を展開 するFリテイリは、高級百貨店のバーニーズを取得することで米国での事業拡 大を狙っていたが、新たな海外戦略策定を迫られることになった。

クレディスイス証券の村田大郎アナリストは、Fリテイリの買収断念につ いて「バーニーズは小売業として良い会社。買収後にはFリテイリに十分メリ ットがあったと思うが、このまま買収合戦になり値段をつり上げていくような 泥仕合では、そのメリットもなくなる。買収交渉の形が良くなかったと思う。 撤退のニュースはマーケットにとっては基本的にポジティブだ」と分析した。

ジョーンズ・アパレルは6月に、バーニーズをイスティットマールに8億 2500万ドルで売却することでいったん合意。その2週間後にFリテイリがバー ニーズに9億ドルの買収案を提示、イスティットマールは今月5日に買収提示 額を9億ドルまで引き上げたのに対して、Fリテイリも買収額を9億5000万 ドルまで引き上げ、価格引き上げ合戦となっていた。

Fリテイリ広報担当の青野光展氏は、ブルームバーグの電話取材に対して 「買収価格引き上げをしないということを決めた」とコメントした。バーニー ズ買収に関してFリテイリでは、さまざまな資産査定を実施。これを基にFリ テイリとして買収可能な価格を提示したものの、ジョーンズ社が応じなかった としている。

バーニーズ買収断念による米国事業の今後の展開については「米ユニクロ 事業には何の影響もない」と強調。さらに、「Fリテイリとしては今後、成長 していくために買収に関する他のいろいろな案件を検討したい。それは米国に 限っていない」と述べた。

Fリテイリの終値は前日比680円(10%)高の7190円。

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