NY外為:円下落、株高でキャリー取引が活発化-豪ドルは急伸(2)

ニューヨーク外国為替市場では円が対ユー ロ、対ドルで下落。米連邦公開市場委員会(FOMC)が前日の声明で、金融 市場の混乱や住宅不振にもかかわらず米経済は成長を継続するとの見方を示し たことから、世界的に株式市場が堅調に推移。これを背景に円への売りがかさ んだ。

円はオーストラリア・ドルに対しても急落し、この2年以上で最大の値下 がり。オーストラリア準備銀行(中央銀行)が政策金利を11年ぶりの高水準 に引き上げたことから、円を売って豪ドルを買う動きが進んだ。低金利の円で 調達した資金を外国の高利回り資産に投じる「キャリートレード」が活発にな った。

マン・グローバル・リサーチ(シカゴ)の上席通貨アナリスト、マイケ ル・マルピード氏は、「株価を追いかけるようにキャリートレードが再び活発 になっている」と指摘。「FOMCはサブプライム問題による影響を過度には 懸念していないと表明した。これを受けて株式市場は上昇し、投資家のリスク 許容度が高まった」と付け加えた。

ニューヨーク時間午後3時56分現在、円は対ドル119円63銭。前日の 同118円83銭から0.7%の円安。対ユーロでは165円5銭と、前日の同 163円25銭から1.1%の円安。

米国株式市場ではS&P500種株価指数が前日比1.4%上昇し1497.49。

円と同様、キャリートレードの調達通貨に利用されるスイス・フランは前 日比0.3%下げて1ユーロ=1.6489フラン。

円は主要16通貨すべてに対して下げた。FOMC声明は、「雇用と所得 のしっかりした伸びと世界経済の力強さに支えられ、この先の経済は数四半期 にわたり、緩やかなペースで拡大する可能性が高いようだ」とした。

全米抵当貸付銀行協会(MBA)が8日発表した8月3日までの1週間の 住宅ローン申請指数(季節調整済み)は前週比8.1%上昇の656.5だった。 上

昇率は1月以来の最大。

オーストラリア・ドル

オーストラリア・ドルは対円で前日比1.4%上昇し1豪ドル=102円93銭。 オーストラリア準備銀行が政策金利を0.25ポイント引き上げ6.5%に設定した ことから、豪ドルは円に対して3月以来の大幅な値上がりとなった。オースト ラリアの政策金利は日本を6%ポイント上回る。2年物国債で比較した豪・日 利回り格差は5.39ポイントに拡大。6日は5.37ポイントだった。

株高を背景に高利回り通貨に買いが入り、ニュージーランド(NZ)ドル は前日比0.8%上昇し、1NZドル=0.7674米ドル。

ドイツ銀行の上席通貨ストラテジスト、アダム・ボイトン氏(ニューヨー ク在勤)は、「株価上昇でキャリートレードへの関心が強まったため、NZド ルや豪ドル、カナダ・ドルなどが買いを集めた」と指摘。「この相場環境では 円とドルには不利だ」と述べた。

ドルは主要16通貨のうち14通貨に対して下げた。

サブプライム(信用力の低い借り手向け)住宅ローンに関連した損失が米 経済を成長減速に追いやるとの懸念から、ドルはこの1カ月で対円で3.1%下 げた。

アナリストの間には、サブプライム問題の解消には時間がかかるとして、 ドルは年末までに115円まで下げるとの見方もある。

ユーロ上昇

ユーロは1ユーロ=1.3796ドルに上昇。前日は同1.3736ドル。6月のド イツの輸出が予想を上回ったことが明らかになり、同国経済が借り入れコスト 上昇の影響を乗り切るとの見方が強まった。

また欧州中央銀行(ECB)の利上げペースが日銀を上回るとの見方から、 今年対ドルで4.9%上昇してきたユーロには一段高の余地があるとみられてい る。2年国債で比較した日独利回り格差は3.37%。3月2日の時点では3%だ った。

金利先物市場では現在4%のユーロ圏政策金利が年末までにもう一度引き 上げられるとの見方が反映されている。EURIBOR(欧州銀行間出し手金 利)先物12月限は4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイント)上昇して

4.52%。同金利は1999年以来、ECBの政策金利を平均して約16bp上回って いる。

ポンドは対ドルで0.7%上昇し、4月以来の大幅な値上がり。イングラン ド銀行はインフレ抑制のためにもう一度利上げを実施する必要性を示唆した。 対ドルでのポンドは2.0361ドル。前日は2.0213ドルだった。

8日付の英紙デーリー・テレグラフは、米国が中国に人民元切り上げを求 める経済制裁を発動すれば、中国は保有する米国債を売却すると2人の中国当 局者が示唆したと報じた。中国の外貨準備は1兆3300億ドルと世界最大に達し た。

ポールソン米財務長官はCNBCで、中国が米国債を売却するという見方 は「ばかげている」と一蹴した。

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