ソフトバンク:第1四半期純利益は18倍-携帯が軌道に、税要因も(4)

国内通信3位のソフトバンクが8日発表し た第1四半期(2007年4-6月)連結業績は、純利益が前年同期の約18倍の 251億円となった。携帯電話事業の好調を反映して売上高、営業利益とも大幅 に伸びたほか、特別利益や税要因も最終利益を押し上げた。

ボーダフォン日本法人(現ソフトバンクモバイル)買収が昨年4月末だっ たため、前年同期は携帯事業の収益加算が2カ月にとどまったが、今回は3カ 月分フルに貢献。売上高は同34%増の6631億円、営業利益は同45%増の787 億円となった。

有価証券売却益や持ち分変動によるみなし売却益など特別利益も計上。税 金面では、米子会社で不要となった未払い法人税などの取り崩しで89億円が 増益に寄与した。潜在株式調整後の1株当たり純利益は22円36銭(前年同期 は81銭)。業績見通しは公表していない。

部門別に営業損益を見ると携帯頼みの構図が鮮明。移動体通信事業の営業 利益は同60%増の435億円に達した。前年同期に退職給付費用の戻りで12億 円の営業黒字だった固定通信は、一時的要因が抜け落ち1億円の赤字に転落。 ADSL(非対称デジタル加入者線)などのインフラ事業は同58%の増ながら、 実額では87億円にとどまった。子会社ヤフーが手掛ける広告などの「インタ ーネット・カルチャー事業」の営業利益は271億円だったが、伸び幅は2.6% だった。

孫正義社長はアナリスト説明会で、営業の重心が携帯に集中していること を認めたうえで、固定通信ではADSLに代わる本格的な光ファイバーサービ ス事業について「準備の最終段階にある」と述べた。

携帯事業、60%増益

携帯事業は売上高が69%増の3917億円、営業利益が同60%増の435億円 だった。ソフトバンクは携帯事業買収効果で前年同期に営業損益、純損益とも 黒字に転換。その後、昨秋の番号継続制度(MNP)を契機とした販売戦略の 積極化が功を奏した格好だ。

携帯電話事業の主要指標であるARPU(加入者1人当たり月間平均収 入)は5000円(前年同期は5590円)だった。うち音声は3590円(同4230 円)で、データは1410円(同1350円)。解約率は1.46%で、前年同期から

0.04ポイント低下した。

SMBCフレンド調査センターの宮崎充主任研究員は、ARPUの低下を 契約者数の増加でカバーできていると指摘。「契約者が増えたことで増加した キャッシュフローを投資に回し、サービスの品質向上を図り、顧客を呼び込む 良いサイクルに入った」とみている。

携帯事業では、昨秋に月賦販売手法によって中途解約した場合は端末コス トの残額を強制徴収できる制度を導入。さらに今年1月、利用形態によっては 通話が無料となる料金体系「ホワイトプラン」を導入したことで契約獲得が加 速。同プランの申し込みは6月に500万件を突破、7月には600万件に乗せて いる。5-7月の契約純増数では、NTTドコモとKDDIを抑え3カ月連続 のトップとなった。7月末のシェアはドコモ53.7%、KDDI29.3%、ソフト バンク16.9%の順。

基地局投資は増額も

孫社長は、最大手のNTTドコモとKDDIが低料金プランを公表すれば即座 に対抗策を出すと公約し、実行してきた。市場では値下げ競争激化への懸念も出て いる。8日の記者会見で孫社長はホワイトプランについて「料金プランとしては十 分な競争力をもっている。お客さんにとって健全な状況が望ましいので、競争はい くらでも続ける」と述べた。

08年3月期に三千数百億円を予定している基地局投資について孫社長は会 見で、競争や新しいサービスによっては「増えるかもしれない」と述べた。総 務省が9月10日から申請を受け付ける次世代無線通信システム「WiMAX (ワイマックス)の基地局開設に関しても、「認可がとれればその分は増え る」と述べたが、「それほど極端な投資額にはならない」と指摘した。

業績予想について孫社長は、「携帯電話事業を始めてまだ新参者なので、 もう少し様子を見て、いずれかの時点で予想の公表を検討すべきだと思ってい る」と述べた。7-9月の見通しは「競争をにらみながらということになるの でコメントは控える」とした。

ソフトバンク株価の8日終値は前日比110円(4.5%)高の2555円。

--共同取材 近藤雅岐  Editor:Taniai(okb/kzt/has/kzt/ )

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