最高裁:スティール抗告棄却、ブルドック防衛策容認-TOB焦点(4)

最高裁第二小法廷(今井功裁判長)は7日、投資 先ブルドックソースの買収防衛策差し止めを求めた米系スティール・パートナーズ・ ジャパン・ストラテジック・ファンドの抗告棄却を決定した。ブルドックに買収防衛 策を認めたことになる。防衛策への最高裁判断は初。スティールが現在進めているブ ルドックへの株式公開買い付け(TOB)をどう扱うかが目先の焦点になる。

最高裁はスティールが申し立てた憲法違反の判断を求める特別抗告、法解釈を争 う許可抗告をともに退けた。決定文によると特別抗告は「実質的には法令違反を主張 する抗告」として退けた。許可抗告は①株主総会で83%の株主の賛同で買収防衛策(新 株予約権)が可決された②スティールは新株予約権の対価として金銭を得られる―― などとして株主平等原則に反せず、著しく不公正な方法にもよらないと棄却した。

最高裁決定は地裁、高裁決定を支持したが、内容は株主総会決議を重視した地裁 判決に近い。高裁が決定理由にしたスティールの「濫用的買収者」については「濫用 的買収者に当たるといえるか否かにかかわらず」新株予約権は株主平等原則に反しな いと結論付けた。

中央大学法科大学院の大杉謙一教授は、最高裁判決について「高裁の『濫用的買 収者』という議論は全くなく、地裁以上に株主総会の決定を重視した決定で驚いてい る」と述べた。そのうえで「総会決議を重んじるこの判決は、日本企業が株式持ち合 いに一段と戻っていく懸念をはらんでいる」と指摘した。

スティール、TOBへの対応を検討

法廷闘争で主張が認められなかったスティールは「最高裁判決の内容を精査して TOBを含めて今後の対応を検討する」(広報代理人プラップ・ジャパン松岡雅子氏) とコメントした。スティールはTOB価格を引き下げることも可能。スティールは現 在、1株1700円(開始時5月18日は1584円)でブルドックにTOBを仕掛けている。 期限は10日に迫っている。

ブルドックの買収防衛策は、株主の1株につき3個の新株予約権を付与して新株 予約権1個に1株を与える内容。スティールも新株予約権を付与されるが、スティー ルについては約23億円の現金を交付する。これによりスティールの約10%のブルド ック持ち株比率は3%前後まで低下する。

この日の最高裁判決を受けてブルドックは9日、新株予約権を買い取り一般株主 には株式を、スティールには現金を交付する。

ブルドック株の終値は、前日比37円(5.6%)安の630円。

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