米国債:FOMC声明で売り、インフレ警戒継続-10年債4.76%(2)

米国債相場は下落。8日開かれた米 連邦公開市場委員会(FOMC)では金利が据え置かれるとともに、声 明では「インフレが最大の懸念事項」と指摘された。

2年債券相場が中心となり下落。市場参加者はFOMC声明につい て、サブプライム住宅ローンの破たん急増を受けた金融市場の波乱にも かかわらず、金融当局が利下げを急がないと解釈した。金利先物相場は、 10月のFOMCでの利下げ確率を58%織り込んだ水準。前日には同確率 は84%と示されていた。

フランクリン・テンプルトン(カリフォルニア州)のクリス・ モランフィ最高投資責任者(CIO)は、「FOMCはここしばらく、 リスクは比較的均衡しておりバイアスはインフレ抑制方向にあると指摘 してきた」と述べた。さらに、「過去1年間の大半は、市場は利下げを 予想してきた」と指摘した。

キャンター・フィッツジェラルドによると、2年債利回りは午後4 時24分現在、前日比4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイント) 上昇し4.55%。2年債価格(表面利率4.625%、償還期限2009年7月) は3/32下げて、100 5/32。

10年債利回りは同3ベーシスポイント近く上昇し4.76%。ブルーム バーグ・ニュースがまとめた82人のエコノミスト予想中央値では、年末 までに10年債利回りは5.15%に達するとされている。

この日のFOMC声明では、「この数週間の金融市場では激しい変 動がみられ、一部の家計や企業にとって借り入れ条件が厳しくなってい るほか、住宅セクターでの調整が続いている。しかしながら雇用と所得 のしっかりした伸びと世界経済の力強さに支えられ、この先の経済は数 四半期にわたり、緩やなペースで拡大する可能性が高いようだ」と指摘 した。

据え置き継続

フェデラルファンド(FF)金利誘導目標は、17回にわたる0.25% ポイントの利上げ後、2006年6月以来5.25%に据え置かれている。

FOMC声明は過去1年にわたり、インフレが米経済への最大のリ スクだと指摘してきており、住宅市場の低迷が景気鈍化につながる可能 性がみられても利下げに動く公算は小さいことを示唆している。

バンク・オブ・アメリカ・セキュリティーズの債券ストラテジスト、 ジョージ・ゴンキャルベス氏は「市場参加者は声明でインフレ見通しな どに関する語調が弱まるとみていたが、そうはならなかった」と指摘し た。

利下げ見通し

株価や社債価格の下落で、住宅市場の軟調が景気鈍化につながると の懸念が強まるなか、ここ2週間にわたりトレーダーは年内の利下げ見 通しを強めていた。

債券ファンド最大手、米パシフィック・インベストメント・マネジ メント(PIMCO)の投資責任者ビル・グロス氏は、景気鈍化にとも ない、FOMCは利下げに踏み切るとの見方を示した。

同氏は、今後数カ月間で「FOMCは利下げをする必要があるとみ ている」と語った。さらに、「5.25%という金利水準は引き締め気味だ と考えている」と述べた。

2年債利回りは前日は一時4.36%と2006年1月24日以来の最低水 準を付けた。これは市場が年末までの0.25%ポイントの利下げと08年 の追加利下げを確信していることを反映するものだった。

バークレイズのTIPSストラテジスト、マイケル・ポンド氏は 「要するに、市場が利下げを織り込みつつある一方で、今回の声明はF OMCが近く利下げに動くという認識とは矛盾する」と述べた。