フルキャス株がストップ安売り気配、事業停止命令受け業績予想を減額

人材派遣会社のフルキャスト株に引き続き 売り注文が殺到。ストップ安(制限値幅いっぱいの下げ)相当の前週末比1万 円(10%)安の8万6000円売り気配のまま、午前の取引を終えた。前週末3日 夕、厚生労働省(東京労働局)から労働者派遣事業停止命令と事業改善命令を 受けたことが嫌気された。会社側が6日午前10時15分すぎに通期業績予想の 減額修正を公表したが、悪材料出尽くしとはならなかった。

違法行為の再発防止に努めた後、創業者の平野岳史会長が今期(2007年9 月期)限りで代表権を返上すると発表したこともあり、不安感が高まっている ようだ。

フルキャストは6日、行政処分を受けて通期(2007年9月期)連結純利益 予想を22億円から6億9000万円に7割減額すると発表した。前期実績(29億 円)に比べ76%の減益になる見通し。新しい予想値は、売上高が前期比18%増 の1066億円、経常利益が同68%減の14億6000万円で、売上高で81億円(7.1%)、 経常利益で30億8000万円(68%)の減額。

日雇いスタッフの給与から天引きしていた「業務管理費」の支払い対応額 は今回の予想値には織り込まれていないという。8月1-3日までの3日間で 5765件、4億7500万円の払い戻しを行ったとしている。

ブルームバーグ・ニュースでは、同社株をカバーしてきた複数の証券系ア ナリストに電話取材を試みたが、「きょう午後5時に予定される会社側の説明 会を聞いてみないと、事業停止の収益インパクトやレピュテーション(評判) リスクの試算は出来ない」との返事が多い。

フルキャストは3日、同社が労働者派遣法で禁止している港湾運送業務へ の労働者派遣を行ったことを認めたうえで、再発防止のために5つの施策を骨 子とする対策を打ち出した。①コンプライアンス推進部の強化、②社内業務監 査機能の構築、③継続的なコンプライアンス研修、④派遣先事業への説明活動、 ⑤派遣スタッフへの詳細な説明―――を行う方針で、同社の各支店や営業担当 に徹底する意向。

同時に平野会長が今期限りで代表権を返上する意向を示した。また平野会 長を含む同社の7人の経営幹部が役員報酬月額を最大50%、3カ月間返上する 処分を発表した。