米国株(3日):大幅反落、ダウ281ドル安-住宅不況の波及を懸念(2)

米株式相場は大幅反落。住宅市場の不振が 景気減速と銀行の収益悪化につながるとの見方から売りを浴び、この3週間で のS&P500種株価指数は2003年以降で最大の下げ相場となった。

格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズは証券大手ベアー・スター ンズの格付けアウトルック(見通し)を引き下げた。金融株はこれを嫌気して 売られ、S&P500種の金融株価指数はこの5年間で最大の下げとなった。ま た雇用の伸び減速と原油価格の下落が収益に与える影響が懸念され、エネルギ ー株は5月以来の安値に下げた。

S&P500種は前日比39.14ポイント(2.7%)下げて1433.06。2月 27日以来の大幅な値下がりを記録したほか、週間ベースでもマイナスに転落 した。ダウ工業株30種平均は同281.42ドル(2.1%)安の13181.91ドル。 ナスダック総合指数は64.73ポイント(2.5%)値下がりして2511.25で終 了した。

この日の大幅安は、世界の株式市場で2兆1000億ドルが失われた先週の 波乱に追い討ちをかけた格好。欧州市場でも株式相場は下落し、ルクセンブル クを除く主要17市場が軟調となった。米株式市場のボラティリティ(予想変 動率)は4年ぶりの水準に上昇した。

コモンファンド(コネティカット州ウィルトン)で400億ドルの資産運 用に携わるマイケル・ストラウス氏は、「次から次へと信用問題が浮上してい る。市場では確信を持って取引することが難しくなっている」と述べた。

ニューヨーク証券取引所の騰落比率は1対12。S&P500種の業種別24 指数はすべて下落した。ダウ平均30銘柄もすべて下げた。

米国債市場では10年債利回りが9ベーシスポイント(bp、1bp=0.01 ポイント)下げて4.68%。外国為替市場ではドルが対ユーロで最安値に接近 した。

7月雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びが9万2000人にとどまり、ア ナリスト予想を下回ったほか、米供給管理協会(ISM)が発表した7月の非 製造業景況指数も前月から大きく低下。株式市場は朝方から軟調に推移した。

ベアー・スターンズ

S&Pはベアー・スターンズの格付けアウトルック(見通し)を「ネガテ ィブ」に引き下げた。ベアー・スターンズは7月に傘下のヘッジファンド2本 が破たん。S&Pは住宅ローン担保証券(MBS)の価格下落がベアー・スタ ーンズの利益を押し下げると懸念している。これを受けてベアー・スターンズ の社債保有リスクは少なくとも6年ぶりの水準に上昇した。

「22年間で最悪」

ベアー・スターンズのサミュエル・モリナロ最高財務責任者(CFO)は アナリストとの電話会見で、「現在の債券市場はこの22年間で最悪だ」と述 べ、ヘッジファンドのロング・ターム・キャピタル・マネジメント(LTC M)が事実上破たんした1998年の金融危機と比較した。ベアー・スターンズ の株価は7.28ドル(6.3%)安の108.35ドルで終了。2005年以来の安値 で終えた。

S&P500種金融株指数は3.8%下落。総合指数下落への影響度でトッ プだった。

米住宅金融最大手のカントリーワイドや独立系商業金融のCITグループ も大きく下げた。MBS引き受け最大手のリーマン・ブラザーズ・ホールディ ングスは7.7%値下がりした。

住宅金融大手のアメリカン・ホーム・モーゲージ・インベストメントは急 落。つい1週間前に10ドルを上回っていた株価はわずか70セントに落ち込 んだ。今年事業閉鎖に追い込まれた住宅金融会社としては2番目に大きい同社 では、大半の従業員がこの日を最後に職を失った。

同社は今週に入り、信用枠からの資金引き出しを停止され、7億5000万 ドル以上のローン原資を準備できなくなっていた。

ネットワーク・アプライアンスとGM

ストレージ(外部記憶装置)メーカーのネットワーク・アプライアンスは 20%の急落。同社は2007年5-7月(第1四半期)決算の暫定集計を発表し、 1株利益が一部項目を除いたベースで19-20セントとなったことを明らかにし た。同社の5月時点の予想は最高25セントだった。

自動車最大手のゼネラル・モーターズ(GM)は4%安。トヨタ自動車の 好決算が嫌気された。トヨタの第1四半期(2007年4-6月)の連結業績は、 海外での販売拡大に為替の円安効果などが加わり利益を押し上げ、アナリスト 予想を上回った。トヨタの米国預託証券は31セント高の118.90ドル。

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