日本株(終了)TOPIXが小幅高、米好決算と円安で外需関連が上昇

週末の東京株式市場は、TOPIXが小幅 続伸した。米国企業が2日に発表した4-6月決算が総じて良好だったことで、 信用力の低い個人向け住宅ローン(サブプライム)問題に端を発した米景気の 不透明感がやや後退。外国為替市場で円高が一服したことも追い風に、電機や 自動車、商社など海外動向の影響を受けやすい業種の一角が上昇した。直近で 売り込まれた銘柄を買い戻す動きから、不動産や保険株も高い。一方、業績不 振の大手銀行株や食品株の一部に売りが目立った。

TOPIX終値は前日比3.21ポイント(0.2%)高の1672.54。一方、日経 平均株価は同4円25銭(0.03%)安の16979円86銭と小反落。東証1部の出来 高は概算で21億480万株、売買代金は3兆1680億円。値上がり銘柄数は686 と、値下がり銘柄数920を下回った。

みずほ投信投資顧問の岡本佳久執行役員・株式運用第2部長は、「米住宅 問題に端を発した信用収縮に伴う企業への悪影響が欧州やアジア各地にも広が りを見せていることが相場の重しとなっている。相場の方向性を大きく左右す る銀行株がさえない動きを続けていることも、市場センチメントの悪化につな がっている」と述べた。

上値重さを認識-米住宅ローン問題への警戒続く

この日の日本株は、前日の米株高の流れを引き継ぐ格好で上昇して始まっ た。ただ、午前の取引で日経平均は2日の米シカゴ先物市場(CME)の日経 平均先物9月物の清算値(1万7135円)の水準に届かず、上値の重さを印象付 け、午後の下げにつながった。取引開始前の外資系証券経由の注文状況が10日 連続の売り越し観測だったことが、投資家心理に影響したとの見方も出ていた。

午後の取引開始早々に、日本株は先物主導で下落転換し下げ幅を広げる場 面があった。米住宅問題に端を発した信用収縮リスク懸念を払しょくできず、 24時間取引のGLOBEX(シカゴ電子取引システム)ナスダック100株価指 数先物が安く推移していたことで、きょうの米株反落への警戒感が強まった。

ベアリング投信投資顧問専務取締役の牧譲治日本株運用本部長によると、 高水準のレバレッジを掛ける形で大きなリスクを取ってきたヘッジファンドへ の影響が、どの程度に落ち着くのかが見えないという。世界の株価の先行指標 的な位置付けにある米国株のボラティリティーが高まり、不安定さが増してい ることもあって、「投資家の多くは疑心暗鬼に陥っている。米サブプライム問 題の広がりと深さを見極め、相場が落ち着くにはしばらく時間がかかる」と、 牧氏は見ている。

米株高と円高一服、TDKや三菱商が上昇

2日の米株式市場では、消費関連やメディアの決算が予想を上回ったこと を受け、ダウ工業株30種平均が前日比100.96ドル(0.8%)上昇するなど主要 株価指数が続伸した。また同日のニューヨーク外国為替市場では、円相場が主 要16通貨に対して下落。リスク資産に対する需要が回復し、低金利の円で資金 を調達して高金利通貨国で運用する「キャリー取引」が活発となり、円売りが 優勢になった。3日の東京外国為替市場でも円はやや弱含みで推移した。

米株高と円相場の落ち着きを支援材料に、外需関連銘柄の一角が堅調に推 移した。TDKや京セラなど電機、三菱商事や伊藤忠商事などの総合商社が買 われ、トヨタ自動車やホンダなど自動車も上昇した。

オリランドや住友不は大幅高、中堅海運3社が上昇

個別材料の出たところでは、主力のテーマパーク事業の入園者数が伸び4 -6月期の連結純利益が前年同期比2倍となったオリエンタルランド、分譲マ ンションの好調で9月中間期業績見通しを上方修正した住友不動産がともに大 幅続伸。カラー複合機など主力製品の好調と為替の円安を背景に、利益水準が 第1四半期として過去最高を更新したコニカミノルタホールディングスも高い。

国内外で主力の板金機械が好調で4-6月期の連結経常利益が4年連続で 過去最高を更新したアマダや、4-6月期の営業利益の進ちょく率が中間期計 画の60%に達したダイヘンが買われ、不定期船の運賃高騰で4-6月の経常利 益が急拡大した新和海運、飯野海運、第一中央汽船の海運中堅3社はそろって 大幅高。

業績懸念のFリテイリが安い、フルキャストはストップ安配分

半面、国内の主力ブランド「ユニクロ」事業の7月既存店売上高が前年同 月比12%減に落ち込んだファーストリテイリング、同様に7月の既存店売上高 が同4.8%減となったユナイテッドアローズが業績懸念の売りに押された。減価 償却費の計上などで4-6月の連結純利益が前年同期比19%減に落ち込んだ古 河電気工業は連日で年初来安値を更新。

厚生労働省が労働者派遣法に基づく事業停止命令を出す方向で検討を始め たと主要各紙で伝わったフルキャストは売り注文が殺到し、ストップ安(値幅 制限の下限)比例配分で終えた。

みずほフィナンシャルグループや三井住友フィナンシャルグループが続落 するなど大手銀行は総じて安く、東証1部銀行指数はTOPIXに対する下落 寄与度1位。ベアリング投信の牧氏は、「国内の大手銀は海外の銀行と比べR OE(株主資本利益率)が大きく見劣りする上、経営戦略の方向性も明確でな い。グループで手掛ける消費者金融部門の先行き不透明感、貸し出しの伸び悩 みもあり、ファンダメンタルズ面を総合的に判断すると大手銀株の本格的な回 復は当面見込めないだろう」との見方を示した。

このほか、主力の「スーパードライ」の苦戦で6月中間期の連結営業益が 19%減となったアサヒビールなど食品株が安く、東証1部の下落率上位にはア サヒ飲料や加ト吉が並んだ。

新興3指数は高安まちまち、ヘラクレス指数が安値更新

国内新興3市場の株価指数は高安まちまち。ジャスダックが0.46ポイント (0.6%)高の76.48と続伸、東証マザーズ指数は4.39ポイント(0.5%)高の

834.57と反発した。一方、大証ヘラクレス指数は2.27ポイント(0.2%)安の

1340.16と反落し、2日ぶりに年初来安値を更新した。

ジャスダック市場では、楽天、SBIイー・トレード証券、ジュピターテ レコムといった時価総額上位銘柄が上昇。08年3月期の業績予想を上方修正し たヴァリックがストップ高(値幅制限の上限)となり、自社株買いを実施した アドアーズは急伸した。半面、4―6月期の連結営業利益が前年同期比25%減 に落ち込んだ理想科学工業が大幅安。フルキャストテクノロジーはストップ安 (値幅制限の下限)となった。

マザーズ市場では、アルデプロ、UBIC、ソネットエンタテインメント、 アイディーユーが高い。ディー・エヌ・エーは続伸して年初来高値を更新した。 半面、フリービットとエリアリンクが売られ、上場2日目のディア・ライフと フルスピードは大幅安となった。

ヘラクレス市場では、ファンドを手掛けるアセット・マネジャーズとダヴ ィンチ・アドバイザーズ、レイコフがそろって安い。サムティ、オープンイン タフェースは大幅安。半面、ラ・パルレ、デジタル・アドバタイジング・コン ソーシアムが大幅高。大阪証券取引所、三光ソフランが上昇。

この日新規上場したトリケミカル研究所は公開価格である540円を19%上 回る640円の初値を付けた。終値は初値比ストップ高に当たる740円。