米国債:上昇、リスク資産の損失拡大懸念で-10年債利回り4.77%(2)

米国債相場は上昇。社債や株式を含め、高 リスク資産市場の損失がさらに拡大するとの観測が広がった。

ただ、午前に発表された週間失業保険申請件数が予想を下回ったことから、 債券相場の上げは抑制された。米労働省が3日発表する7月の雇用統計では失 業率は引き続き6年ぶり低水準を維持すると予想されている。

資産運用会社セージ・アドバイザリー・サービシズの共同創業者、マー ク・マックィーン氏は、「国債相場を押し上げている要因は、市場参加者の懸 念だ」と述べた上で、「景気はまだ底堅い。損失の拡大はほとんどみられな い」と語った。

キャンター・フィッツジェラルドによると、10年債利回りは午後4時10 分現在、前日比2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイント)水準を下げ て4.77%。10年債(表面利率4.5%、2017年5月償還)の価格は5/32値 を上げて97 29/32。

前日は一時、10年債利回りは5月16日以来の最低となる4.69%をつけ た。年初来の最高は6月13日の5.32%。

投資家による質への逃避

ヘッジファンドや銀行が、社債や住宅ローン担保証券(MBS)、デリバ ティブ(金融派生商品)での損失を相次いで明らかにしたことから、連邦公開 市場委員会(FOMC)による年内利下げ観測が再燃し、過去3週間の債券相 場は上昇基調にある。

メリルリンチがまとめたデータによると、7月の債券投資によるリターン は、1.7%だった。

米労働省が発表した7月28日に終わった1週間の新規失業保険申請件数 (季節調整済み)は、前週比4000件増の30万7000件だった。ブルームバ ーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査の予想中央値は31万件だった。 今年に入りこれまでの失業保険申請件数の平均は31万8600件。前年同期の 31万3000件とほぼ変わらない。

市場予想によると、3日発表される7月の雇用統計では、同月の雇用者の 伸びは12万7000人が見込まれている。5月の雇用者増は13万2000人、年 初来平均では14万5000人の雇用増となっている。

失業率は4.5%が予想されている。昨年10月は6年ぶり低水準となる

4.4%だった。

2年債利回り

金利先物市場動向によるとトレーダーは、年末までにフェデラルファンド (FF)金利誘導目標が0.25ポイント引き下げられるとみている。

金利の変動により敏感な2年債の利回りは、ほぼ2bp下げて4.58%。 前日は一時、3月5日以来の低水準となる4.45%を記録した。

今月7日にはFOMCが開かれるが、ブルームバーグがまとめたエコノミ スト75人の予想では、全員が金利据え置きを予想している。FOMCは2006 年6月に開かれた会合での利上げを最後に、その後政策金利を据え置いている。

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は7月18-19日の議会 証言で、住宅市場の減速が景気を鈍化させる可能性があると指摘しながらも、 インフレが引き続き最大の関心事だと述べた。