不動産株上げる、路線価で都市中心の不動産好況を確認-根強い先高観

午前の東証1部市場では、上昇率上位に東 急不動産や三菱地所、東京建物、藤和不動産、アーバンコーポレイションなど 不動産株が並んでいる。東証業種別33指数の騰落状況を見ても、不動産は一 時4%超上げて上昇率でトップ。1日に発表された路線価では、都市中心に不 動産市況が上昇している流れが再確認された上、前日の米国株高で懸念材料だ った米国の住宅ローン問題への懸念がやや和らいだことも支援材料だ。

7月月間の東証33業種の騰落状況を見ると、不動産株は9.3%下げて下落 率で4位。6月以降で見れば17.7%下げ、最もパフォーマンスが悪い。こうし た状況を、ゴールドマン・サックス証券の穴井宏和アナリストは「過去3年を 振り返ると相当な勢いで上がっている。テクニカルな要因で調整が必要な局面 に来ていたところで、サブプライム問題、日本銀行の利上げの2つがダブルパ ンチで効き、大幅な下げになっている」と解説した。

ただ穴井氏は、「3年くらいのチャートで見ると、ほんのわずかな下げだ。 上がり過ぎた株は調整が必要であり、1-2カ月の休み期間はこれからあろう。 しかし、上昇余地は十分にある。基本的に経済全体が大きく壊れる状況になら ない限り、不動産マーケットそのものも壊れないし、不動産株も壊れる可能性 は低い。短期、中期的な一時的な調整局面」と考えている。

国税庁が1日に公表した、2007年分の相続税や贈与税の算出基準となる路 線価では、全国約41万地点の標準宅地の評価基準平均額は前年比8.6%上昇と なった。上昇は2年連続で、上昇率は前年の0.9%から大幅に拡大。主要都市 を中心に地価が上昇する中、地方圏では15年ぶりに価格が下げ止まった。

菱地所の木村惠司社長は、路線価について「地方圏においても首都圏と同 様、再開発や商業集積が進むエリアや、交通利便性や生活利便性の高い住宅地 などに対する実需があった」と述べている。

07年1月1日現在、全国平均は1平方メートル当たり12万6000円。地域 別に見ると、平均で東京圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)が30万2000円で前 年比13.1%上昇、大阪圏(大阪、兵庫、京都、奈良)が16万1000円で同

8.1%上昇、名古屋圏(愛知)が10万8000円で同9.1%上昇した。

GS証の穴井氏によると、「都心部ではキャップレートがかなり低下して いるので徐々に収益性は落ちてきている。ただグローバルで見ると、日本の不 動産市場はまだ投資の魅力に満ちているので、グローバルなバランスから見る と、まだ非常に良い状況。投資余力は十分ある」という。

この日の主要不動産株の値動きは、三井不が一時4.5%高の3240円、菱地 所が5%高の3160円、東急不が7.6%高の1205円、アバコーポが11%高の 2015円、東急リバブルは6.4%高の2245円などとなっている。

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