米サブプライムで流れ出る「ヘドロ」、企業を圧迫-今後も影響拡大か

米経済界で、鉄道会社や化学メーカー、保険 会社が、ここ16年で最悪となっている米住宅市況が業績の足かせになっている と嘆き始めた。

米2位の鉄道会社、バーリントン・ノーザン・サンタフェによれば、住宅 関連製品と木材の出荷減少が4-6月期の利益を圧迫。化学大手のデュポンも 台所・バスルーム関連製品の需要低迷が、減益の一因だとしている。保険・金 融サービスのジェンワース・ファイナンシャルは、住宅ローン関連の保険金請 求が増えており、今年の利益は予想レンジの下限になるとの見通しを示した。

A・ゲーリー・シリング(ニュージャージー州スプリングフィールド)の ゲーリー・シリング社長は、「サブプライム問題のヘドロが流れ出ている。ホー ムエクイティ・ローンが蒸発し、なくなったような状態で、景気けん引の主役 となっている力強い個人消費拡大の基盤が消え失せた」と述べた。ホームエク イティ・ローンは、住宅ローンで購入した不動産の値上がりに伴い与信枠が拡 大し、借り入れ追加が可能となる融資。

メリルリンチのチーフエコノミスト、デービッド・ローゼンバーグ氏は、 住宅市場の減速により、米企業利益の伸びの3分の2以上が失われたと試算し ている。企業の増益率は現在6%だが、住宅市場の問題がなければ、19%にな っていたという。

米国の住宅販売が市場予想より大きく落ち込んでいることで、企業は悪影 響を受けている。情報提供会社リアルティトラックによれば、住宅差し押さえ 件数は1-6月期に58%増えて57万3397件に達した。

PNCウェルス・マネジメント(ボルティモア)でデュポン株を含め250 億ドル相当の運用に携わるジーン・ピサセール氏は、「配線や配管、塗装や備品 を含め、住宅に関連するあらゆる商品やサービスを扱う企業が確実に影響を受 けるだろう」と話した。

住宅値下がり

住宅値下がりが消費者の購買力を低下させていることから、住宅市場の影 響はさらに広がる公算が大きい。国際ショッピングセンター協会(ICSC) によれば、53の小売りチェーンの今年2-6月期売上高は前年同期比2.3%増 と、1年前の同じ時期の3.9%増に比べ、伸び率が鈍化した。

連邦準備制度の政策当局者も、住宅問題が6年間に及ぶ景気拡大に対する 最大のリスクだとの認識を示している。ハーバード大学のジョイント・センタ ー・フォー・ハウジング・スタディーズによれば、住宅とその関連産業は国内 総生産(GDP)のほぼ25%を占めており、景気と住宅は切り離せない関係に ある。

同センターのニコラス・レツィナス氏は、住宅問題の「影響が出ているの は明らかだ。今のところ、その影響を過大評価するより過小評価しがちだ」と 指摘した。

2001年の米経済のリセッション(景気後退)を正確に予想したシリング社 長は、年内にリセッションが始まると予想する。同社長は、01年のリセッショ ン以降の雇用創出の約3分の1と個人消費のほぼ半分は住宅関連によるものだ としている。

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