ベアー・スターンズ:3本目のヘッジファンド、解約停止-損失で

米証券会社ベアー・スターンズは31日、 3本目のヘッジファンドの解約を停止したことを明らかにした。同社はこの日、 先に苦境に陥った2本のヘッジファンドについて破産法適用を申請した。市場 の低迷を受けて3本目のファンドにも投資家から解約請求が増え、同社は払い 戻しを停止した。

広報担当のラッセル・シャーマン氏が電話インタビューで述べたところに よると、3本目のファンドは約9億ドル(約1067億円)を、住宅ローン担保証 券を含む資産担保証券(ABS)に投資していた。ファンドは投資家からの大 量の解約請求に見舞われているという。

3本目のファンドの損失は、ベアー・スターンズにとって打撃であると同 時に、サブプライム住宅ローンに端を発した危機が幅広い市場へと拡大してい ることを示している。問題のファンドのサブプライム関連証券への投資は0.5% 未満だという。先に破たんした2ファンドはサブプライム関連証券に主に投資 していた。損失は銀行や保険会社、フランスやオーストラリアのヘッジファン ドにも広がっている。

メトロポリタン・ウエスト・アセット・マネジメントのポートフォリオマ ネジャー、ブライアン・ウェイレン氏は「問題が発生するのはサブプライム関 連に投資しているファンドばかりでないことが、これで分かった」と述べた。

ベアー・スターンズ株はサブプライム問題が業績に影響するとの懸念を背 景に、年初来25%余り下落している。同社は米国の住宅ローン担保証券引き受 けで2005、06年に首位だった。

シャーマン氏によると、ベアー・スターンズは3本目のファンドを閉鎖す る計画はない。同ファンドは5000万ドルの手元資金があり、元本償還や利払い で月約1300万ドルの収入があるという。払い戻しを停止すれば、下落した価格 で資産を売却しなくて済む。

米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)がこの日報じたところに よると、同ファンドは今年6月までは5%の利益を上げていたが、7月に成績 が急速に悪化したという。

シャーマン氏は、ファンドには借り入れがないため、住宅ローン担保証券 市場の軟調が終わるまで待つことができると説明している。同氏は、「現在の 環境のなかで資産を売却することは慎重を欠き、投資家の利益にもならないと 考えている」として、「ファンドのポートフォリオは市場の不安定な時期を乗 り切ることが可能なポジションになっている」と述べた。

先に苦境に陥った2ファンド、「ハイグレード・ストラクチャード・クレ ジット・ストラテジーズ」と「ハイグレード・ストラクチャード・クレジット・ ストラテジーズ・エンハンスト・レバレッジ」は31日、破産法適用を申請した。 これらのファンドには借入金があり、債権者が追加の担保を求めたことから問 題が悪化し、ベアー・スターンズは一方のファンドに16億ドルを融資した後、 先週その資産を差し押さえた。