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石油株指数が下落率トップ、市況反落の影響-東電特需の期待もはく落

石油元売りの新日本石油やコスモ石油、 新日鉱ホールディングスなどが軒並み下落。東証業種別33指数の石油・石炭 製品業は3%以上安くなり、下落率でトップとなっている。米国内製油所の稼 働率上昇の観測などを背景に、ニューヨーク原油先物相場が3日続けて下げて いることから、石油元売り各社の探鉱開発(上流)部門の利益を圧迫するとの 見方が広がった。

みずほインベスターズ証券の河内宏文アナリストは、「一番の大きな要因 は、原油先物相場が元気を失っていること」と指摘した。そのため、他の石油 元売りと比較して石油開発部門が大きい新日本石油は3連敗。一時前日比72 円(6.2%)安と下落率としては5カ月ぶりの大きさとなっている。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)で取引される原油先物9月限は24 日、前日比1.33ドル(1.78%)安の1バレル=73.56ドルで終了。製油所の稼 働率が上昇する見通しに加え、必要とあれば、OPEC(石油輸出国機構)は 増産に踏み切るとしたイラン石油省高官の発言が原油価格の下落につながった。 ブルームバーグがまとめた調査では、製油所の稼働率は10カ月ぶり高水準の

91.6%が予想されている。

また、石油元売りの多くが、在庫評価に期初の在庫額と期中の仕入額を合 計して平均する「総平均法」を採用。原油価格が上昇すると、期初の安い在庫 を原価に含めることから、実際の仕入れ価格よりも会計上の原価が下がる。こ の影響によると会計上の利益が在庫評価益とされるが、原油価格が反落地合い を強めたために、在庫評価益が縮小する見通しも強まっている。

石化市況に陰り

さらに河内氏は、懸念材料の1つとして、市況が好調なために石油元売り 各社が重要な利益の源泉の1つとしてきた石油化学製品の価格に陰りが見え初 めたことも挙げた。「上昇を続けていたベンゼンの価格が5月半ばを境に下げ 始めたことも、石化事業に注力し始めた石油元売りにとって良い話ではない」 (同氏)という。

ブルームバーグの毎週公表するデータによると、韓国出しのベンゼン価格 は1月19日から5月18日までの間に28%上昇。しかし、その後は下げ足を強 め、7月20日には1トン当り1030ドルと5月18日比10%下落している。

おいしい話ではない場合も

東京電力の柏崎刈羽原発が中越沖地震の影響で停止したことに伴い、重油 や原油など火力発電所の燃料の需要が伸びるとの観測から、先週には石油関連 株が変われる局面もあった。しかし河内氏は、石油火力向けの燃料需要の増加 は、石油業界の売上高を押し上げるものの、利益に貢献するとの見方について は懐疑的だ。

「石油会社はすでに、8月や9月分の石油製品の原料となる原油の調達を 済ませており、東電が追加のC重油を発注した場合でも、石油業界はC重油だ けを大幅に増産することは難しい。結果として生産品ではなく、輸入品に頼る ことになる。輸入品の価格は上昇しているために利幅は薄く、火力のたき増し は石油業界にとっておいしい話ではなくなっている」(河内氏)。

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