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メッセージ社長:高齢者専門賃貸住宅を強化、来期は1000戸以上に

介護付き有料老人ホーム「アミーユ」を運営 するメッセージは今後、高齢者専門賃貸住宅 (高齢者向けマンション、高専賃) 事業を強化する。開設規制の対象外で自由に新設できるほか、老人ホームに比べ てより住居性が追求でき、需要があるとみているため。現在は1棟33戸だが、来 期は首都圏などで1000戸以上を開設し、展開を加速する方針。橋本俊明社長が17 日、ブルームバーグとのインタビューで明らかにした。

メッセージは04年ジャスダックに上場。7月時点で17都道府県に127の施 設を持つ老人ホーム最大手。業界では施設の平均入居率70%が損益分岐点といわ れるなか、同社は94%と異例の高さを誇る。強さの秘密の1つは他社が数百万円、 数千万円という金額を設定している入居一時金の無料化だ。コムスン事業の引き 受けには30社ほどが名乗りを挙げているが、メッセージは興味を示さず、一線を 画している。橋本社長は外科などを専門とする医学博士でもある。

―コムスン問題を医師、経営者の立場からどうみるか。

「コムスンが主にやっている訪問介護事業は、諸外国の例を見ても事業会社 がやっているケースは少ない。例えばNPO(非営利団体)や地方自治体、福祉 法人が行っていることが多く、もともと利益が出にくい。この分野で利益を出そ うとしていることに無理、問題がある。訪問介護は地元の企業やNPOがすべき。 施設系に関してもわれわれと考え方が非常に異なっている。買収して行うのは適 当ではないと思う」

―入居一時金がメッセージでは無料だ。

「建物を自前で準備して投資すれば投資回収が必要になるが、われわれの場 合は地主に建ててもらうことを原則とした。このため、初期費用がほとんどなか った。入居一時金をなぜとるかと言えば最初の投資に充てるためで、自前の投資 を避ければ、入居一時金をもらう必要がない。入居一時金がなくなれば、バリア が少なくなり入居しやすい。入居率が80-85%になれば、と考えるのではなく、 最初から90%以上が必須と考えた。現在の平均入居率は新規施設も含めると94%。 1年経過した既存施設だけなら98-99%と100%に近い」

―中長期の事業ビジョンは。

「従来型の介護付き有料老人ホームも継続するが、新規事業として高齢者専 門賃貸住宅(高専賃)をやる。当分この路線を続ける。規模では高専賃のほうが どんどん増えていくだろう。従来、有料老人ホームは年間1000戸ほどつくってい ったが、高専賃は1000戸にとどまらない。賃貸事業者が高齢者も顧客対象とする など、いろいろな会社との業務提携が実現できれば1万戸程度までできるのでは ないか」

「介護付き有料老人ホームは『施設』。施設は行政の監督下にあり、数の規 制を当然、今後も受ける。『住宅』は普通の住まいであり、規制を受けることは まず考えられず、高専賃は自由に事業ができるという魅力がある」

―高専賃の成長性は。

「今後10年間で約100万人分は増えるとみている。単純計算すると1年間で 10万人分。初年度から10万人は不可能だろうが、数万人から始まり、だんだん増 え方は加速していくのではないか」

―積水ハウスなど住宅メーカーとの高専賃での連携は。

「この事業は住宅業界の分野に属し、今後も住宅各社と事業提携していきた い。積水ハウスの『シニア住宅をつくりたい』という考え方とわれわれの『脱・ 施設化』という考え方が一致した。首都圏を中心に共同でやっていこうと考えて いる」

「東京都は23区周辺から埼玉、千葉など首都圏に、関西は大阪。有料老人ホ ームが非常に少ない京都をはじめ、西宮、芦屋、神戸は非常に有望な市場。名古 屋、仙台、札幌、福岡も対象となる」

「従来からわれわれは営業部隊を持っておらず、大和ハウスなどの住宅メー カーに協力していただいてこれまでやってきた。このやり方はずっと続けていき たい」

―高専賃の投資額、資金調達方法は。

「ざっと1人当たり1000万円。これは建物のみ。1000人だと100億円、1万 人だと1000億円。これに土地代が加わる。例えば地主に建ててもらえば、土地代 はいらない。借地をすると若干、土地代が必要。土地を買うと最初から投資しな ければならず、これが建物の値段に加わる」

「10億円単位の投資ができる地主は少ないと思うので、バランスをとりなが らやっていきたい。不動産事業になるので、資金調達は不動産ファンドを積極的 に導入していきたい。銀行借り入れなどその他の資金調達も必要と考えている」

―今期の業績見通しは。

「会社計画は達成できると思う。前期と比べるとかなり伸び率は低めという 印象を持たれると思うが、これはちょうど今踊り場にいるため。新規の高専賃は 来年から寄与してくる見通しで、一方では介護付き有料老人ホームの新規開設に は規制がかかっている。来期以降からは伸びてくるだろう」

―医師として業界をどうみるか。

「これまでは介護、医療、住宅、住まいがばらばらになっていたが、これを 統合したいというのが私の一番の希望。例えば介護事業者が医療に対して遠慮し ている傾向がある。医療業界は介護に対して若干、下に見ている。これを統合し ていきたい」

メッセージの株価は前日比2000円(1.1%)高の18万円(午後2時11分現 在)。

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