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日本株(終了)米株高と円高一服で自動車など幅広く上昇-売買は低迷

東京株式相場は反発した。米国株高と円高 一服により外部環境への警戒感が後退し、良好な企業業績を素直に評価する流 れが強まった。野村証券が収益改善評価から業界判断を強気に引き上げた自動 車株をはじめ、四半期決算で足元の業績が堅調なことが確認された小売株、原 油高を背景として資源株などが買われた。業績予想を引き上げて上昇したブリ ヂストンが刺激となり、ゴム株は東証1部業種別指数の上昇率首位となった。

明治安田生命保険相互・株式運用グループの津坂睦彦グループマネジャー は、「為替が理想的な水準で落ち着きはじめたことは、企業にも株式相場にも プラス材料。第1四半期が間もなく終わることで、輸出企業は年間の4分の1 は円安メリットを実際に取り込んだ。通期業績に対する不確実性は着実になく なってきている」と語った。

指数の終値は日経平均株価が前日比82円99銭(0.5%)高の1万7932円 27銭で、5日ぶりに上昇。TOPIXは10.04ポイント(0.6%)高の1751.12 と反発。東証1部の値上がり銘柄数は1425、値下がり銘柄数は230で、騰落比 率は86対14。東証業種別33指数では、輸送用機器、小売、銀行、保険、陸運、 電気機器、食料品など25業種が高く、鉄鋼、証券・商品先物取引、医薬品、 海運など8業種が下げた。

もっとも、29日の消費者物価指数など経済指標の発表を多数控えているほ か、今後の為替動向などを見極めたいとして売買は低水準だった。東証1部の 売買高は概算で16億1201万株、売買代金は同2兆3816億円で、ともに約1カ 月ぶりの低水準。

外部環境の落ち着きが後押し

外部環境が落ち着きを示したことで、自動車株やゴム株などを中心に企業 業績に対する期待が高まった。米証券会社メリルリンチのスタンレー・オニー ル最高経営責任者は27日、米国のサブプライムローン市場で物件の差し押さ えが増えていることが、債券市場の他の部分に影響を与えていないとの見方を 示した。27日の米株式相場では、クレジット市場の混乱が予想ほど深刻でない との見方から、金融株が4日ぶりに上昇した。

一方、外国為替市場は27日の海外時間で、円が対ドルや対ユーロで10週 ぶりの大幅高となった。円で調達した資金を新興国の債券や株式に投じるキャ リー取引の解消が進んだ。しかしその後円高は一服し、東京時間ではやや円安 に転じるなど足元の円高傾向が一服しつつある。

三菱UFJ証券の鮎貝正弘シニア投資ストラテジストは、「サブプライム ローンに端を発した米国株安と円高がともに反転したことで、先行きへの警戒 感がやや和らいでいる。米ポールソン財務長官が米景気に対して強気の発言を したことも安心感を与えた」と指摘した。

円安メリットなどから業績予想を増額したブリヂストンに加え、横浜ゴム や住友ゴム工業などゴム株が軒並み急騰した。「増額修正のブリヂストンが上 昇するなど、マーケットは素直に反応している。これから徐々に増額修正銘柄 が増えてくるだろう」(豊証券の菊池由文取締役)という。

鉱工業生産は下振れ、前週は外国人売り

もっとも、日経平均は前日の下げ(下げ幅216円、下落率1.2%)を取り 戻すには至らず、自律反発の域を出なかった。朝方発表された5月の鉱工業生 産指数は前月比0.4%低下と、3カ月連続でマイナスとなった。電子部品・デ バイス、情報通信機械の生産の低下が影響し、ブルームバーグ・ニュースの事 前調査(同0.9%増)を下回った。ただ、先行きを示す6月の製造工業生産予 測指数は前月比1.9%上昇、7月は同1.7%上昇を見込む。

株主総会の集中日、今後の増配期待も

きょうは株主総会の集中日とあって、総会関係の話題も相次いだ。ドトー ルコーヒーは、日本レストランシステムとの経営統合案に米投資ファンドが反 対を表明していたが、統合案が可決されると株価は午後に下落に転じた。TB Sでは、買収防衛策導入などの会社側提案が賛成多数で可決、同社株の株式取 得を進めている楽天の株価は軟調だった。

明治安田生命の津坂氏によると、「今年の株主総会では投資ファンドによ る株主提案が否決されるケースが多い。日本株にはポジティブではないが、相 場に大きく影響する大きなファクターでもない。むしろ増配に踏み切る企業が 多いことは、今後の増配期待が出てきた点でポジティブ」とみていた。

自動車株が高い、好材料相次ぐ

相場の上昇を大きくリードしたのは自動車株。外部環境の好転に加え、ア ナリストの強気判断が相次いだことも好感された。野村証券金融経済研究所は 28日、自動車セクターの投資判断を「中立」から「強気」へと引き上げた。完 成車メーカー8社の今期営業利益は、円安効果を除いても3期ぶりの増益へ転 換すると予想。円安効果がさらに業績を押し上げる可能性もあるとし、個別で は日産自動車、トヨタ自動車、いすゞ自動車の順で推奨した。

また、ゴールドマン・サックス証券ではトヨタ自動車とダイハツ工業の投 資判断を「中立」から「買い推奨」へと変更した。

岡野バルが急騰、鉄鋼株は安い

個別では、今期(07年11月期)の連経常利益が前期比4.9%増と、一転し て増益を確保できる見通しになった岡野バルブ製造がストップ高(制限値幅い っぱいの上昇)。単体の5月売上高が前年同月比1.4%増だったイオンも買わ れた。既存店売上高の堅調で2007年3-5月期連結経常利益が前年同期比 3%増となったもよう、と28日付の日本経済新聞朝刊が伝えたファミリーマ ートが反発。第1四半期(3-5月)連結経常利益が前年同期比4.5%増と伸 びた乃村工芸社も高い。

ロシアが進める鉄道網整備計画について、政府が新幹線技術を使った支援 に向けてロシア側と協議に入ると28日付の読売新聞が伝えたことで、日本車 両製造など鉄道車両関連も値上がり。

半面、子会社がリース資産を過大に計上するなど不適切な会計処理を行っ ていたことが明らかになった日特建設が急落。会社想定より原燃料価格が高い ことや住宅事業の不透明感が増していることが懸念された積水化学工業も安い。 DVDの販売が伸び悩んだことなどから、第1四半期(07年3-5月)は2け たの減収減益となったバンダイビジュアルは大幅安。

売買代金上位では新日本製鉄や住友金属工業などの鉄鋼株や、コマツ、野 村ホールディングス、ソニーが安い。

新興市場は4日ぶり反発

新興市場はそろって4日ぶりに反発。終値はジャスダック指数が0.53ポイ ント(0.7%)高の81.89、東証マザーズ指数は21.15ポイント(2.4%)高の

917.35、大証ヘラクレス指数は9.95ポイント(0.7%)高の1476.61。

ジャスダック市場では、SBIイー・トレード証券、メイコー、アーク、 ミライアルが高い。臨床検査情報システム販売が好調で07年12期業績予想を 増額したエイアンドティーが値幅制限いっぱいのストップ高まで買われ、午後 に07年12期業績予想を増額した東京リスマチックも上昇。半面、サイバーコ ム、テレウェイヴが安い。前日上場のコシダカは値下がり率トップ。

東証マザーズ市場では、UBICが大幅高となり、ACCESS、インフ ォテリア、ミクシィが上昇。第1四半期(07年3-5月)は2けたの増収増益 となったGCAも高く、クラビットによる株式取得が明らかになったゲームオ ンは急伸した。一方、オー・エイチ・ティーが値下がり率首位となり、エヌ・ ティ・ティ・データ・イントラマート、フレームワークスも下落した。

大証ヘラクレス市場では、携帯のワンセグ対応部品をメーカーが増産して いると28日付の日本経済新聞朝刊が伝えたことで、ゼンテック・テクノロジ ー・ジャパンが売買を伴って上げた。クラビット、ネクストジェン、ジェーソ ンも高く、マネーパートナーズは値幅制限いっぱいのストップ高。半面、ラ・ パルレ、オリコン、アイフリークが安い。第1四半期(2-4月)の単独営業 損益が300万円の赤字だったデジタルデザインは続落した。

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