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日本株運用者は強気一色に、米景気減速と円高不安後退-ラッセル調査

米国の資産運用サービス会社、ラッセル・ インベストメント・グループが行った日本株運用機関の投資展望調査(6月 度)によると、日本株に対して強気の割合が88%と、昨年12月時と並んで06 年3月の調査開始以来の最高水準に達した。

ラッセルの資産運用ソリューション担当である木口愛友執行役は、「国内 外の株式に対する強気と、債券に対する弱気の姿勢が鮮明になった」と、調査 結果についての見解を示した。その上で、日本株に対する強気派が増えた背景 について、「前回3月の調査で、多くの運用機関が日本株に影響を及ぼす要因 として米国景気の減速と円高を挙げていたが、これらのリスクが現実化する可 能性が低下したため」とみていた。

米国株式市場は4月以降、好調な企業業績やM&A(企業の合併、買収) の活発化に支えられて上昇。米ダウ工業株30種平均やS&P500種指数は過去 最高値を更新した。雇用統計などの経済指標によって景気減速懸念が後退した ことが背景。

米経済の順調な拡大見通しに加え、「世界の主要株価指数に対する日本株 の出遅れ感も、日本株に対する強気の見方につながった。また、為替市場で一 段と円安が進行したほか、国内でも完全失業率の低下や、法人企業統計で堅調 な設備投資動向が確認されたことも要因に挙げられる」(木口氏)という。

3月末と5月末を比較した主要株価指数の上昇率は、米ダウ工業株30種平 均が10%、独DAX指数が14%。これに対してTOPIXは2.5%にとどまる。

現在の日本株の水準が割安との回答割合は42%と、前回3月調査時の34% から増えた。適正との回答は52%、割高は6%だった。

輸出や金融株に強気派増える、内需株はやや弱気に

セクター別の見通しからも、2大リスクの後退が意識されたことがうかが える。資本財や素材など景気敏感セクターの中でも外需関連度が高いセクター や、金利上昇の恩恵を受ける金融セクターで強気の割合が増えた。米国景気の 減速懸念が後退したことや円安進行により、「外需関連セクターの選好度が一 段と高まった」(木口氏)と言えそうだ。

外需関連株に対する注目度が高まる一方、一般消費財・サービス、生活必 需品、電気通信サービスといった内需依存度が高い企業が多いセクターの強気 の度合いは低下した。

円安予想派が急増

今回の調査では、米ドルに対する円の見通しに大きな変化が見られた。1 年前から円安基調にある中、一貫して5割程度の運用機関が円高を予想し、円 安予想は15-20%にとどまっていた。しかし今回は円安予想派が32%と、前回 3月調査時から倍増した。

ただ、国内外別に見通しを見ると、円高派の割合は国内外とも4割強と同 じだが、円安を想定している運用機関は国内勢が39%に達したのに対し、海外 勢は8%と非常に少ない。彼らは、「日本以外の株式に対する強気の度合いが 低いことから、日本株と日本経済に強気と言える」(木口氏)。

これまで日本国債に対する弱気の見方は徐々に後退していたが、今回は弱 気の割合が82%と、前回3月調査時の63%から大きく上昇した。債券価格の下 落で円金利の上昇が見込まれているが、海外の金利も上昇しているため、円高 が進むほど日米金利差が縮小しないと考えているようだ。

企業収益は上方修正期待

上場企業(除く金融と新興市場)の08年3月期収益に対しては、10%以上 の経常増益率を予想する声が46%、5%以上では計88%に達した。前期も期初 時点では1-2%の伸びが見込まれていたが、実際の増益率は10%を超えたこ とから、「今期3%程度という企業側の予想数字が今後上方修正されると期待 しているようだ」と木口氏は見ている。

この調査は6月1日から7日までの間に行われ、51社の回答を集計し、結 果を26日に公表した。

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