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大企業景況3期連続悪化、指数初のマイナス-「企業好調」判断維持(3)

国内の大企業全産業の4-6月期の景況判断は、 前期に比べて悪化した。製造業、非製造業ともに指数が低下、3四半期連続で自身の 企業に対する見方が悪くなった。日本銀行の企業短期経済観測調査(日銀短観)の市 場予想に影響を与えそうだ。

財務省と内閣府が20日発表した法人企業景気予測調査によると、大企業全産業の 景況判断BSIはマイナス0.9ポイント。前期1-3月はプラス6.2だった。この指 数がマイナスになったのは3年前の統計開始以来、初めて。ブルームバーグがエコノ ミスト3人を集計した事前予想値(中央値)はプラス5.8だった。

景況判断BSIでは製造業で自動車、一般機械や金属製品が、非製造業で情報通 信、建設や金融の景況が悪化した影響が大きかった。一因として原材料価格、仕入れ 価格の上昇があげられる。

BSIは、前期比の景況で「上昇」「不変」「下降」「不明」を企業が回答、上 昇から下降を引いた企業数が全体に占める比率。政府が企業活動の現状・先行きの経 営者の判断を四半期ごとに調査している。今回調査は5月25日時点。

財務省は法人企業景気予測を受けて「企業部門の好調さが続いているとの判断を 変えることはない」(鵜瀞由己・財務総合政策研究所次長)との見方を示した。先行き の指数が改善するうえ、収益や設備投資の数値が伸びていることで、全体としての評 価は維持している。大企業全産業の先行き7-9月のBSIはプラス12.0、10-12月 BSIはプラス11.5。

4-6月の大企業全産業BSI悪化を予想したHSBC証券の白石誠司チーフエ コノミストは「製造業踊り場の傍証となる可能性が高い」と指標発表前に分析してい た。そのうえで製造業か夏場以降に再加速すると予想した。また、この日の発表を踏 まえて日銀短観の予想を作成するとしている。日銀は7月2日、短観(6月調査)を 発表する。

大企業製造業もマイナス

大企業製造業のBSIはマイナス2.2(前期はプラス0.1)、同非製造業のBSI はマイナス0.2(同プラス9.8)だった。

バークレイズ・キャピタル証券の会田卓司、永井祐一郎両エコノミストはリポー トで「4月までの生産停滞や米国向け輸出の鈍化を反映して弱い結果だった」と分析 した。同時に米国経済への悲観論後退で企業の景況感は改善していく可能性が高いと 予想した。

朝の東京外国為替市場ではドル・円は午前10時10分現在、1ドル=123円37銭 で取引されている。指標の発表前も123円37銭だった。株式相場も小幅高にとどまっ ている。

全産業の設備投資をみると、2007年度は全産業で前年度比3.3%増(前回調査は

5.3%減)の見通しへと上方修正された。上期は8.1%増(同6.7%増)、下期は1.0% 減(同15. 6%減)を見込む。このうち製造業は07年度が6.2%増(同0.5%増)、 非製造業は1.5%増(同8.9%減)の見込みだ。

エービーエヌ・アムロ証券の西岡純子シニアエコノミストはブルームバーグ・ニ ュースのテレビ番組に出演し、設備投資計画についてほぼ予想に沿った内容と指摘。 目先、設備投資は循環局面の中、「調整はやむを得ない」としながらも、年後半を見 通して考えれば、米景気の回復を背景に国内も年度ベースで「プラスとなる」と予想 し、日銀の利上げを後押し材料になるとの見方を示した。

全産業で07年度売上高は2.2%増加、経常利益は4.5%増加と増収増益を見込ん でいる。

共同取材:君塚靖--Editor : Hinoki

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