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投資家ファーバー氏ら:資源株への強気論の背景にコンドラチェフ循環

ロシアの経済学者ニコライ・コンドラチェ フは1920年代に、商品相場には50-60年の周期があるとする理論を提唱した。 コンドラチェフの分析では、商品相場は今世紀初頭に上昇することが示唆され ており、実際に相場は上昇している。

有力投資家のシェーン・オリバー氏やマーク・ファーバー氏らも今、5年 半前から続く資源関連株の上昇局面はまだ始まったばかりだとの見方の論拠と して、コンドラチェフ理論を利用している。

AMPキャピタル・インベスターズ(シドニー)で830億ドルの運用に携 わるオリバー氏は、「金融市場では、極めて短期の景気循環に注目されるのが 通例」だが、「それは誤りであり、コンドラチェフ循環は幅広い視点から現状 を見つめることができる」と指摘した。AMPの保有銘柄上位10位には、世界 最大の資源会社の豪BHPビリトンや同3位のリオ・ティント・グループが並 ぶ。

商品相場の上昇が始まった2001年10月以降、資源株は173%、エネルギー 関連株は118%上昇した。これら2つのセクターは同期間にモルガン・スタンレ ー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)ワールド指数の業種別騰落 率で最大の値上がりを演じた。BHPの株価はほぼ4倍、リオ・ティントの株 価はほぼ3倍に上昇した。

オリバー氏のほか、香港のファンドマネジャーで、1987年の米株急落を言 い当てたことで知られるファーバー氏も、「スーパー・サイクル」理論を支持 する新世代の投資家だ。シティグループやドイツ銀行、ゴールドマン・サック スのストラテジストもこの理論の支持者で、中国やインドにおける供給不足と 景気拡大が数年にわたる物価上昇をもたらすと予測している。

将来を見据える

コンドラチェフは1920年代に出した著書や論文の中で、資本主義には景気 と物価の長期波動が内在すると指摘。設備投資の増加によって景気が上向き、 こうした投資が価値を失うと景気は下向きになると分析。新たな市場や技術も 景気拡大局面で物価を押し上げるとした。

コンドラチェフは3つの上昇サイクルに注目した。1つはフランス革命か らナポレオン戦争にかけての1789年から1814年。2つ目は欧州の工業化が進 んだ1849年から1873年、3つ目は米国が世界の経済大国として台頭した1896 年から1920年。各サイクルともに、その後23-35年にわたる商品相場の下落 が続いた。下降期間は平均で29年にわたり、上昇期間は平均で24年続いた。

コンドラチェフ分析をその後の期間に当てはめると、29年間の下降局面は 大恐慌や第2次大戦が起こった1920-1949年となる。その後、53年間の上昇・ 下降サイクルを経て、再び新たな上昇局面が2002年に始まったと推論できる。

ファーバー氏は、「商品価格は長期サイクルで動くという見方に同感だ」 とし、「コンドラチェフ循環の上昇波は少なくともあと15-20年は持続する可 能性が高い」と述べた。ファーバー氏は、2001年に出版した著書「トゥモロー ズゴールド」で、コンドラチェフ循環など長期波動理論に言及し、景気循環が いったん上向くと投資ルールが全面的に変わり、商品価格は上昇、インフレは 加速し、金利も上がると分析した。

ロイター・ジェフリーズCRB指数は01年10月以降、139%上昇した。銅 相場は5倍に跳ね上がり、原油価格も3倍強に上昇。米連邦準備制度は政策金 利を1%から5.25%に引き上げている。

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