NY外為(27日):ドルは対ユーロ最安値更新、米景気鈍化兆候を嫌気

ニューヨーク外国為替市場ではドル が対ユーロで過去最安値を更新した。27日に発表された1-3月期(第 1四半期)の米実質国内総生産(GDP)速報値が4年ぶりの低い伸び にとどまったことが嫌気された。

ドルは他の主要通貨のほとんどに対しても下落した。米連邦準備制 度理事会(FRB)が作成している実効為替レートは、36年間の統計の 歴史の中でも最低水準付近で推移。ただ、ドルが対ユーロで最安値を更 新するとドルへの買い注文が誘発され、ドルは下落分を切り詰めた。

ノーベル賞受賞者であるマサチューセッツ工科大学(MIT)のポ ール・サミュエルソン名誉教授は「トレンドは主にドルにとっては下向 きだ」と指摘した上で、「米国経済は緩やかに鈍化しており、昔の相場 でドルを買った海外勢にとっては芳しくない状況だ」と語った。

ニューヨーク時間午後4時34分現在、ドルは対ユーロで1ユーロ=

1.3654ドル。一時は同1.3681ドルと対ユーロ最安値を更新した。これ までの最安値は最初に2004年12月30日に付け、そして今月25日にも 付けた同1.3666ドルだった。1999年のユーロ導入時の相場は同1.17ド ルだった。

米商務省が27日に発表した1-3月期(第1四半期)の実質国内総 生産(GDP、季節調整済み、年率)速報値は前期比年率1.3%増加と、 2006年10-12月期(第4四半期)確定値の2.5%から減速。4年ぶりの 低い伸びとなった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト の予想中央値は1.8%増だった。

主要通貨に対するドルの実効為替レートは25日、78.99に低下した。

米経常赤字

米経常赤字額は昨年、8567億ドルと過去最高水準となった。

ドイチェ・バンク・セキュリティーズのエコノミスト、トーステン・ スロック氏は、「経常収支がしばらくの間、ドルを圧迫している。一方で 金利がドルを下支えている」と指摘。さらに、「金利が他の地域と比較し て低下し始めるようであれば、両方がドルの下押し要因となろう」と述べ た。

同氏をはじめとするドイチェ・バンクのエコノミストらは、米連邦公 開市場委員会(FOMC)は今年、政策金利を4.75%に引き下げ、ドルは 年末まで1ユーロ=1.36ドル水準と軟調にとどまると予想している。

ゲイン・キャピタル(米ニュージャージー州)のオンライン取引部門 の調査責任者、ブライアン・ドラン氏は、投資家が損切りのためにドルを 買い戻したことから、ドルは下落分を縮小したと指摘した。

ユーロ見通し

商品先物委員会(CFTC)の建て玉報告によると、先物トレーダー は、ユーロが対ドルで3週連続で過去最高値を付けるとの観測を強めてい る。ヘッジファンドなどの機関投資家が建てたユーロのロング(買い持 ち)ポジションからショート(売り持ち)ポジションを差し引いたネット ロングは4月24日の時点で前週から4%増加し、11万1282枚。前週の10 万6770枚を上回り、過去最高を更新した。

ドルは対円では1ドル=119円53銭。第1四半期の米実質GDP発表 後にはこの日のドル安値となる同118円88銭を付けた。

円は対ユーロで過去最安値に下落した。3月の日本の消費者物価指数 が低下し、日銀が07年度のインフレ見通しを引き下げたことが円を押し下 げた。

日銀見通し

投資家は、日銀が一段と速いペースでの利上げは実施しないとみてお り、円のキャリートレードが促進された。

円は対ユーロで前日比0.38%下落し1ユーロ=163円20銭。一時は過 去最安値となる同163円24銭を付けた。

ドルの下落は、ファストフード最大手の米マクドナルドやインターネ ット競売最大手のeベイ、米化学大手3Mといった企業には恩恵となって いる。

米財務省のブルックリー・マクラフリン報道官は、20日にポールソン 財務長官が「強いドル」政策発言を繰り返して以来、米政府のドルに対す る見方は変化していないと述べた。

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