3月貿易黒字額は73.9%増-自動車、半導体の輸出好調で過去最高(5)

財務省が25日発表した通関統計によると、 3月の貿易収支は1兆6335億円の黒字となった。前年同月比73.9%の増加で、 黒字額は事前予想を上回り、月間ベースで過去最高となった。5カ月連続のプ ラスで、北米・欧州向け自動車、アジア向け半導体などの輸出が増加。輸入は 原油価格が反落するなか衣類などが減少し伸びは横ばいにとどまった。

事前にブルームバーグ・ニュースがエコノミスト35人を対象に調査した ところでは、3月の貿易収支(原数値)は中央値で1兆3800億円の黒字が見 込まれていた。3月の貿易収支のうち、輸出額は前年同月比10.2%増の7兆 5112億円、輸入は同横ばいの5兆8778億円。輸出額は過去最高だった。

アジアを中心とした外需に支えられ、輸出は堅調さを維持している一方、 輸入は原油価格反落の影響により一服しており、外需が引き続き日本経済の下 支え役になっている。先の7カ国財務相・中央銀行総裁会議 (G7)声明で は、各国に内需の一層強化を通じたバランス調整を求めている。このため、一 本調子の黒字増加は国際的に問題となるほか、円相場の変動や再び上昇基調に ある原油価格の動向も不確定要素となる可能性がある。

円安効果

第一生命経済研究所の新家義貴主任エコノミストは発表後、ブルームバー グ・ニュースとのインタビューで、米経済について動向が懸念されるが日本か らの輸出は底堅く推移していると指摘するとともに、ソフトランディング(軟 着陸)する可能性があると予想。為替相場と貿易収支の関連については、「過 去の円安が輸出を押し上げているのは間違いない」とし、日本経済の下支えに かなり貢献しているとの認識を示した。

農林中金総合研究所の南武志主任研究員は、「輸出の勢いはそれほど強い わけではなく、円安による価格効果で膨張しているに過ぎない」とし、「輸出 数量の伸びは、米国向けが低調なままであるが、アジア向けを中心に底堅く推 移しており、全体として緩やかな増勢を保っている」と指摘する。

国地域別では、3月の対米黒字額は前年同月比1.4%増の8053億円、対E U(欧州連合)は同21.5%増の4437億円。対アジアでは、同72.1%増加の1 兆1265億円となった。2006年度全体の貿易黒字額は前年度比16.4%増の9兆 540億円。

今年3月の税関長公示為替レート平均が1ドル=118円49銭と1年前に比 べ0.9%の円安、年度ベースでは06年度が116円90銭と対前年度比で3.5% の円安。対ユーロでは対前月比で11%、前年度比では8%の円安となっている。

外需寄与度

バークレイズ・キャピタル証券の会田卓司チーフエコノミストは輸入の 横ばいについて、「内需の低迷を反映したものではなく、3月上旬から中旬に かけての原油価格の反落により、輸入価格の上昇幅が大きく縮小していたこと が一因である」としている。

そのうえで「1-3月期の実質輸出は前期比プラス2.2%、実質輸入は同 マイナス0.3%となり、1-3月期の外需の実質GDP(国内総生産)前期比 寄与度は、(10-12月期のプラス0.1%から)プラス0.3から0.4%となる」 と指摘した。

3月の原油輸入通関単位は米ドル建てで、1バレル当たり61.07ドルと前 年同月比で6.7%の低下、円建て単価は1キロリットル当たり4万2445円で同

5.9%下がっている。

3月の季節調整済み貿易黒字額は前月比79.1%増の1兆1231億円(エコ ノミスト18人対象の調査で9500億円の黒字予想)、輸出額は同0.3%増の6 兆7055億円、輸入額は7.9%減の5兆5823億円。

共同取材:鎌田康行 --Editor:Hinoki

大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-365 yokubo1@bloomberg.net

David Tweed +81-3-3201-2494 dtweed@bloomberg.net

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