バークレイズ:ABN買収合意、約11兆円-過去最大の銀行買収(5)

英銀3位のバークレイズは、オランダの銀 行最大手ABNアムロ・ホールディングを670億ユーロ(約11兆円)で買収す ることで合意した。金融機関の買収としては過去最大規模。

両行が23日発表したところによると、バークレイズはABNアムロ株1株 につきバークレイズの新株3.225株を提供する。ABNアムロの期末配当を含 め、ABNアムロ1株を36.25ユーロと評価するもの。両行の交渉が明らかに なる前の3月16日の株価終値に33%上乗せした水準となる。これに関連して、 ABNアムロは米部門のラサール・バンクを米バンク・オブ・アメリカ(BO A)に210億ドル(約2兆4930億円)で売却することで合意した。

両行の合併によって、従業員は約21万7000人となり、顧客数4700万の大 銀行が誕生する。時価総額で英HSBCホールディングスに次ぐ欧州2位の銀 行となる。

バークレイズに対抗して共同でABNアムロ買収を目指していた英銀ロイ ヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)とスペインのサン タンデール・セントラル・イスパノ銀行(BSCH)、ベルギーの金融サービス 会社フォルティスは、23日に予定されていたABNアムロとの会談を中止した。

ケンペン・キャピタル・マネジメント(アムステルダム)で6億7500万ド ル相当の運用に携わるフースト・デグラーフ氏は、「世界が3社連合の動向に注 目している」とした上で、「3社が」対案を「示さなかったら驚きだ」と述べた。

ABNアムロ株はアムステルダム市場で、0.52ユーロ(1.4%)安の35.77 ユーロで終了した。ロンドン市場のバークレイズ株は17ペンス(2.3%)安の 733ペンス。

バークレイズのジョン・バーリー最高経営責任者(CEO)が統合後の新 会社のCEOとなる。バークレイズの投資銀行部門責任者のロバート・ダイア モンド氏が社長となり、ABNアムロのアーサー・マルティネス監査役会会長 が会長となる。

バーリーCEOは電話会議で「われわれの計画は理にかなっており、実現 可能だ」と自信を示した。また「新会社は世界の大手銀行として、従業員に新 しい経験をもたらすだろう」と述べた。

ブルームバーグ・データによると、新銀行は3兆1000億ドルの資産を持ち、 資産規模で世界最大となる。バークレイズはラサール・バンクを除いた全従業 員の約6%に相当する1万2800人を削減し、28億ユーロを削減する計画を示し た。さらに1万800人のポストを「低コスト地域」に移管する計画。これらの 方策が、2010年までに35億ユーロの節減と収入増につながると見込んでいる。

ABNアムロのライクマン・グローニンクCEOは記者会見で、バークレ イズはABNアムロにとって「最良のパートナー」との考えを示す一方で、他 者が対抗案を示すことにも道は開かれているとの考えを示した。

買収合戦

RBSを中心としたグループは、ABNアムロの分割を検討していた。キ ーフ・ブリュイエット・アンド・ウッズのアナリストは、RBS陣営は 1株当 たり40ユーロ以上を提示できるとの見方を示していた。NCBストックブロー カーズのアナリスト、サイモン・ウィリス氏は、ABNアムロとバークレイズ の合意について「戦いの終わりではなく、始まりだという気がする」と話した。

ABNアムロによるラサール・バンクの売却は、RBSの買収計画の妨げ となりそうだ。RBSのグループは23日に予定されていた会合に出席しないこ とを伝えるとともに、ラサール・バンク売却を中止させる方法について情報を 収集すると発表した。

ABNアムロの買収合戦は、株主のヘッジファンド、TCIファンド・マ ネジメントが同社の事業分割を呼び掛けたことをきっかけに始まった。TCI は23日、ラサール・バンクの売却はRBS陣営の提案を「不当に妨げる」もの だとして、ABNに売却の条件などを明らかにするように求めた。

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