伊藤一長・長崎市長が銃撃され重篤、山口組系暴力団幹部を逮捕(7)

伊藤一長・長崎市長(61)が17日午後7 時52分ごろ、長崎市大黒町のJR長崎駅前にある選挙事務所前で男に撃たれ た。男は選挙事務所関係者に取り押さえられ、駆けつけた長崎県警の警察官が 殺人未遂の現行犯で逮捕した。同県警広報相談課の千代田博純次席が語った。

逮捕された男は、六代目山口組水心会幹部、城尾哲弥容疑者(59)。同容 疑者は、銃撃を認めている。共同通信によると伊藤市長の容体は依然、厳しい 状態が続いている。同市長が運び込まれた長崎大学病院ではきょう未明、緊急 手術後に江口勝美病院長や執刀医らが記者会見し、伊藤市長の心拍数はきわめ て弱く、人工心肺で生命を維持している状況だと説明した。NHKによると市 長は背後から2発撃たれた。

伊藤市長は3期市長を務め、4月22日投票の市長選に4期目を目指して 立候補していたという。

NHKの映像によると、長崎駅前の市長の選挙事務所前に市長が倒れ、救 急隊員数人が周りを取り囲んで介抱していた。その後に抱えられて救急車に運 ばれた。周辺にはパトカーや群集が集まり、騒然とした状態だった。

広島県原水爆禁止日本協議会(原水協)の松本真事務局長は「本島等元長 崎市長も現職時に銃撃を受けており、非常にショックを受けている。根は広島 と長崎も同じ。まだ犯人の素性は明らかでないが、もし暴力団関係者、右翼な ら、原爆の問題が尾を引いていると思う」と述べた。

そのうえで「原爆の問題は過去のものではなく、現在にもつながっている。 従軍慰安婦や沖縄の問題など今の安倍政権の政策が右翼を刺激している要素が あるのではないか。今回の銃撃を新たな変化と受け止めている」と語った。

日本の政界にも衝撃

厳しい銃規制を行っている日本で、選挙期間中に政治家が銃で狙われると いう事件が発生したことには、日本の中央政界でも衝撃をもって受け止められ た。

自民党の中川昭一政調会長は同日夜、ブルームバーグ・ニュースの電話取 材に対し、「日本は世界一安全な国だという誇りがある。こういうことは絶対 にあってはならない」と怒りをあらわにした。そのうえで「原因の究明と二度 と起こらないように、市民が不安に襲われることにはならないように何が出来 るか考えていかなければいけない」と語った。

一方で、自民党の丹羽雄哉総務会長は、「選挙中にこのような事件が発生 して大変な衝撃を受けている。事件の背景は明らかになっていないが、もし政 治的発言や行動を封殺することであれば、正に民主主義に対する挑戦であり、 断じて許されないことだ」と指摘した。

民主党の渡辺周筆頭副幹事長も、「政治的背景があれば絶対に許されるこ とではない。あらゆる政治家が狙われる対象になるということは恐いことだが、 これによって発言が萎縮するようなことがあってはならない」と述べた。

--共同取材:白木真紀、松田潔社、廣川高史、楽山麻理子 Editor : murotani(ush)(amn)

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