米国の大学、低所得層にはますます遠く-授業料値上げで格差鮮明に

米国の大学の1年生は、過去35年間で最も 裕福であることが、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)高等教育 研究所の調査で分かった。

同研究所が9日公表したリポートによると、今年度の1年生の家族の世帯 所得は全米中央値を60%上回った。1971年の格差は46%だった。授業料値上げ が低所得世帯からの入学を妨げているとみられる。調査は、過去40年間の800 万人の学生を対象に実施したもので、大学生に関する調査としては過去最大、 過去最長の規模。

この調査結果は、大学教育コストの増加に関する議会での批判を裏付ける ものだ。リポートは大学入試センターの情報を引用し、授業料などの費用は2000 年以降で、公立で35%、私立で11%値上がりしていると指摘した。

リポートを共同執筆したホセ・ルイス・サントス教授は、「富裕層世帯の 学生は、比較的貧しい世帯の学生よりも授業料の大幅変動に耐えることができ る」と述べ、「その結果、全米の中央値よりも一段と裕福な家族の子どもが大 学に入学するケースが増えている」と分析した。

連邦・州政府の支援

リポートはまた、1970年代以降、連邦政府の支援によって高等教育を受 ける機会が広がったとしながらも、州政府による公立大学向け予算の削減が大 学による授業料値上げにつながり、低所得世帯の学生に最も大きな影響を与え ているとした。

米国州立大学協会幹部のダニエル・J・ハーリー氏は、「今回の調査結果 は、米国の格差の広がりを鮮明にするものであり、ニーズに応じた学生支援向 けの投資を連邦・州政府が再び活発化させる必要性を強く確認した」と述べ、 「特に州政府が、高等教育機関の授業料抑制のための経営サポートを強化する 必要性」も浮き彫りにしたと語った。

ブッシュ米大統領と米議会の一部議員は、学生向けの補助金や融資などの 支援増強を提案する一方、大学に対しては授業料値上げの自粛を呼び掛けてい る。学生支援向け費用を増額する私立大学は増えており、ハーバード大学やプ リンストン大学、ペンシルベニア大学などの一流大学は、低所得世帯出身の学 生に対する支援パッケージを学生ローンから補助金に切り替えている。

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