M&A助言知り尽くしたバークレイズとABN、支払う手数料は最小に

英銀バークレイズとオランダの銀行ABN アムロ・ホールディングがM&A(企業の合併・買収)についてのアドバイス を受けるために支払う手数料は、他の業界の企業が投資銀行に支払う額に比べ て安いに違いない。

金融機関の合併の過去の事例を見ると、業界最大規模となるバークレイズ とABNの合併でアドバイザーが得る手数料は合計で1億ドル(約119億円) 程度だ。ニューヨークのフリーマン社の概算によると、これは米通信サービス のAT&Tがベルサウスを買収した際の手数料に比べ3分の1程度割安になる。

ボストンの投資銀行レーン・ベリーの創業パートナーで会長のフレデリッ ク・レーン氏は「金融機関は手数料について知り尽くしている。その世界に住 んでいるからだ」として、「幾ら払うべきかが分かっている」と話した。

バークレイズやABNアムロなど金融機関には社内にバンカーがいる。ま た、金融機関同士の合併は、共通の顧客のためにいっしょに働いたことのある 幹部同士の間で友好的に決まる場合が多い。さらに、銀行は株式や債券を発行 することが多いため、投資銀行は後でこのような案件から業務を得ることを狙 い、低い手数料でもアドバイザーを引き受ける。

投資銀行コンパス・アドバイザーズ(ロンドン)のシニアパートナー、フ ィリップ・キービル氏は「銀行は手数料の段階を知っていて、相手がどの程度 値引きをしてくれるかが分かっている」として、金融機関が払う手数料が「事 業会社よりも低いのは有名な話だ」と述べた。

キーフ・ブリュイエット・アンド・ウッズのアナリストらは3月30日付の リポートで、バークレイズがABNアムロ買収で760億ユーロ(約12兆1000 億円)を提示するとの見方を示した。また、英銀ロイヤル・バンク・オブ・ス コットランド・グループ(RBS)とスペインのサンタンデール・セントラ ル・イスパノ銀行(BSCH)が共同でABNに買収案を示す可能性もあると している。

バークレイズとABNの合併についてアドバイスする銀行は9行。手数料 は案件総額の0.1%にとどまる可能性もある。消費財大手のプロクター・アン ド・ギャンブル(P&G)によるジレット買収など類似の規模の事業会社合併 では、手数料は0.2%に近い(フリーマン概算)。

それでも多くの銀行がアドバイザーを務めていることは、低い手数料率は あまり問題ではないことを示している。ニューヨークの大手投資銀行4社の 2006年収入で、M&A助言手数料は5%余りにすぎない。これに対し、債券・ 株式トレーディングは収入の約半分、引き受けは約9%を稼いだ。

事情に詳しい関係者が匿名を条件に述べたところによると、バークレイズ とABNのためには約80人のバンカーが働いている。ABNが起用したのはモ ルガン・スタンレーとUBS、リーマン・ブラザーズ・ホールディングス、N Mロスチャイルド・アンド・サンズ。バークレイズ側はシティグループ、ドイ ツ銀行、クレディ・スイス、JPモルガン・カザノブ、ラザードだ。バークレ イズのライバル、RBSにアドバイスしたことのあるゴールドマン・サック ス・グループとメリルリンチは含まれていない。

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