財務省幹部:円に焦点を当て、議論をする状況ではない―米G7(3)

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財務省幹部は10日午前、13日に米国で開 かれる7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)を控え、省内で記者説明し、 前回2月にドイツで開かれた会合では、日本の金融政策と絡めて多少、円に焦 点が当たったが、今回は、そうした状況ではないと見解を示した。

ただ、関心がある出席者の中には、為替について言及するかもしれないと 述べながらも、それが大きな声になるとは認識していないと語った。同幹部は G7ではこれまで、個別通貨の具体的な水準については議論したことはないと 述べ、今回の会議でも、議題として取り上げられ、議論されることはないと 強調した。

2月にドイツで開かれたG7声明では、為替に関する基本的表現はこれま でと変わらなかったが、人民元に関する記述が単に柔軟化を促す表現から、 「中国の実効為替レートが、必要な調整が進むように変動することが望まし い」へと変更され、対ドルだけではなくユーロなどの通貨に対する人民元の上 昇も促した。

同幹部は、2月の会合から比べ人民元は、議論した方向に動いている、 方向感としては良い感じに動いているとの認識を示した。一方、米国は依然と して、人民元の上昇のペースが遅いと認識しているかもしれないとも語った。

2月の声明では、「(各国の)経済動向が意味するところが市場参加者に 認識され、彼らのリスク評価に織り込まれていくであろうと確信する」と指摘 し、その直後に世界同時株安と為替市場の調整が発生した。この点について同 幹部は、株式市場などが、過度な上昇からの調整し回復していることを挙げ、 一定の評価をした。ただ同文言を、今回の声明でも踏襲するかについては、明 言を避けた。

世界経済の下方リスクは減少

世界経済の見通しについては、国際通貨基金(IMF)のラト専務理事が、 先進国を含む成長率は5%程度と良好で、下方リスクが減少しているとの見方 を示していることに触れ、同幹部も同じ認識だと語った。

米国経済については、昨年と比べ成長率は低下しているものの、日米欧の 3極の間では最も高い成長を維持していることを指摘。さらに住宅市場の過熱 が解消され、生産性の上昇も緩やかになっていることなどに触れ、良い意味で、 ソフトランディング(軟着陸)の状況に入っている、と語った。

また信用度が低いサブプライム融資の焦げ付き問題については、米経済へ の影響は比較的限定的だとしたうえで、現在どこかで大きな問題が生じつつあ るとは思っていない、との認識を示した。

知的財産権の侵害を巡って、米国が中国を近く世界貿易機関(WTO)に 提訴するなど、米国内で保護主義的な動き高まっていることについて同幹部は、 G7では基本的に保護主義との闘いにコミットしていることを強調し、懸念を 持っていると語った。だだ、同問題が明確な議題として、取り上げられること はないだろうと語った。

また国際通貨基金(IMF)が米貿易赤字の縮小のために必要な米ドルの 実質レートの減価が10%未満でも可能としたリポートについては、経常収支の 中で、所得収支の占める割合が増えていることを挙げ、貿易収支だけに焦点を 当て為替調整の必要性を議論することは、難しくなっていると語った。

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