久間防衛相:イラク開戦の米大統領判断、間違ったとは一言も言ってない

久間章生防衛相はイラク戦争に踏み切ったブ ッシュ米大統領の開戦判断について「戦争そのものが間違っていたとは一言も 言っていない。するか、しないかはアメリカの判断。私がブッシュ大統領だっ た場合でもやったかもしれない」と述べ、「間違っていた」と指摘した1月の自 らの見解を事実上、軌道修正した。4日のブルームバーグ・ニュースとの単独 インタビューで語った。

久間氏は1月24日午後、都内の日本記者クラブで記者会見し、イラク戦争 について「核兵器がさもあるかのような状況でブッシュ大統領は踏み切ったと 思うが、その判断がひとつは間違っていたのではないか」との見解を明らかに していた。

これに対し、久間氏は4日のインタビューで、日本記者クラブでの発言に ついて「イラクに核兵器がないのではという感じを持っていたから、それを率 直に言っただけだ」と指摘。その上で、イラク開戦に関し、「イラクが(核廃棄 などを求めた)国連決議を履行できないなら開戦だ、という米国内の世論の高 まりの中で、私はありうるとは思っていたから、それが間違っているとは一言 も言っていない」と重ねて強調した。

テンプル大ジャンパンキャンパス現代日本研究所ディレクターのロバート デユジャリック氏は、久間氏が、米大統領のイラク開戦の判断について「間違 ったとは一言も言ってない」と語ったことについて、「久間氏はゲ-ツ長官との 会談を控え、礼儀として過去の発言を弱めようと判断したのだろう」と指摘。 その上で「明らかに久間氏は米主導のイラク戦争に反対のようだが、1月の自 らの発言の代償として(2月に来日した)チェイニー米副大統領と会談できな かったわけだ」と語った。

普天間移設先のV字滑走路案、調整次第で変更も

4月下旬から5月上旬にかけての連休中に開かれる日米の外務、防衛担当 閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)やゲーツ国防長官との日米 防衛首脳会談については「今まで日米間で取り決めをやっていた米軍再編、そ ういうことについてまずはお互い確認しあう」と述べ、2006年5月の2プラス 2でまとめた沖縄海兵隊のグアム移転など在日米軍再編に関する最終報告を再 確認したい考えを示した。

ただ、キャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市)に2本のV字形滑走路を 建設することで日米が合意している普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の代替施 設については「V字案が一番いいと思っているが、これからアセス(環境影響 評価)をやったら、いろんな意見が出てくる。決まった案通りでいくのか、そ こはまたいろいろだ」と述べ、今後の調整次第で方針変更もあり得るとの認識 を強調した。

武器の共同開発は個別判断-全面解禁には否定的

また、ミサイル防衛関連の日米共同開発について、日本政府が外国への武 器の輸出や技術の供与を禁じた武器輸出3原則の例外としていることに関連し、 「ミサイルに限らず、個別に判断するようなケースはまた増える」と述べ、今 後も外国との武器の共同開発などを認める場合が出てくるとの見方を示した。 ただ、武器輸出の全面的な解禁については「わが国がどんどん武器を開発して 輸出して諸外国に出回るという間違ったメッセージを各国に与えないように、 注意しないといけない」と語った。

北朝鮮の弾道ミサイルや核開発への対応については「やめさせるようにす ることが第一だが、万が一のことがあっても、ミサイル防衛システムを早期に 導入することによって対応できるようにしないといけない」と述べ、3月から 自衛隊基地への配備が始まったミサイル防衛網の構築を急ぐ考えを示した。日 本の核武装については「アメリカの核の傘で抑止をするという従来の姿勢を取 ったほうがいい。日本に核を置いたりすると周りの国は警戒する。非核3原則 を堅持することが一番いい」と否定した。

透明性に疑問が持たれ、毎年2けたの割合で増加している中国の国防予算 については「脅威とまでは言わないにしても、あんまり気持ちのいいものでは ない。これから先の安全保障環境をよくしていくためには、お互いが猜疑心を 持たないようにすることが大事だ」と語り、防衛交流などを通じて信頼関係を 構築していくことが必要との認識を強調した。

インドとの防衛協力に関しては「国際平和協力業務にどう対応するのか、 軍事的な衝突があったときにどうするのか。いろんな訓練をするとか、情報交 換をすることについて話して行くことはいいことだ」と述べ、積極的に進めて いく意向を示した。

イージス艦情報流出報道、蓋然性が高い

一方、海上自衛隊の2等海曹がイージス艦に関する情報などを持ち出した、 と複数のメディアで報じられている問題については「本当にそうかを含めてこ れから先の話。捜査するというからには秘密があったのではないかという蓋然 (がいぜん)性が高いと類推はできるが、警務隊と警察で捜査し始めた段階。 その動きを見てみないといけない」と述べ、今後の捜査を見守る考えを強調。 自衛隊の情報管理体制に関しては「きちんとしなければいけない。反省すると ころは反省して管理体制をしっかりしないといけない」とも述べた。

--共同取材:平野朋美、山村敬一、加藤拓 Editor:Ushiroyama

坂巻幸子 Sachiko Sakamaki +81-3-3201 7298 Ssakamaki1@bloomberg.net. 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net 香港 Anthony Spaeth +852-2977-6620 aspaeth@bloomberg.net

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