TOB中の日興株、1900円「売り」7095万株-オービス、引き上げ迫る(5)

米シティグループが過半の取得を目指して TOB(株式の公開買い付け)を実施中の日興コーディアルグループ株につい て、海外大株主のオービス・インベストメント・マネジメントがシティにTO B価格の引き上げを迫る新たな戦略に動き出した。オービスは現行の1700円 より高い1900円での売りを明示、他の投資家の賛同も得てシティが引き上げ を検討せざるを得ない状況に追い込みたい狙いとみられる。

機関投資家向けに売買執行サービスなどを提供するインスティネット(ジ ャパン)によると、3日の東京証券取引所で朝方、日興株に10口の注文とし て合計5653万株が1900円で売りに出された。オービスは米国時間2日、全保 有分5651万株(5.8%)を1900円で「東証に直ちに売り注文を出す」と表明、 この動きと一致する。1900円の売り注文は15時前までに19口、約7095万株 (約7%)に増加した。ただ株価は1700円に満たない水準で推移している。

香港の大株主も呼応

これに関連して、香港に拠点を置くファンドのロックハンプトン・マネジ メントは3日、オービスと同様の視点から4日の午前にも東証に1900円で保 有株分すべての売り注文を出すと発表。同社のクリス・ドネガンポートフォリ オマネージャーは、ブルームバーグ・ニュースとの電話インタビューで、詳細 には言及しなかったが「1%以上5%未満(最低でも1000万株)の売り注文 を出す」との方針を明らかにした。同社は3日にも売り注文を出したという。

オービスは2日の発表文のなかで、同じ考えを持つ株主が売り注文を出す 同様の行動に出れば、東証での注文状況として市場から見えるようになり、市 場参加者はそれを踏まえて日興株の価値を判断できると指摘した。シティは当 初の1350円から1700円にTOB価格を上げたが、1900円で完全子会社化を目 指せば、必要資金はさらに12%増えて1兆7600億円に膨らむ。シティ広報担 当の吉次厚子氏はコメントを差し控えた。

SMBCフレンド証券投資情報部の中西文行グループマネジャーは、オー ビスが保有する日興株を1900円で市場に売り注文を出すという方針の意味に ついて、「シティが1900円に価格を上げてくれば応じるというだけでなく、 ほかの株主に対しては、シティの提案を現状価格では受け入れず、価格を再度 引き上げてくるまで待つようにとのメッセージを放ったのでは」と分析する。

海外4ファンド、拒否の意向

シティは4月26日を期限に日興株の過半数以上の取得を目指すTOBを 実施中。だが、これまでにオービスを含め、合計で26%超を持つ4つの海外投 資ファンドが日興株はTOB価格以上の価値があるとしてシティの求めに応じ ない考えを表明しており、実際に売り注文を出すがなどが注目される。一方、 シティのダグラス・ピーターソン在日支店CEO(最高経営責任者)は買い付 け価格はこれ以上引き上げない意向だ。

現在、シティは日興株を約4.9%保有。2006年12月末の日興の株主構成 は、外国人が55.3%、国内金融機関が23.5%、国内個人投資家が13.0%、国 内法人6.8%、証券会社1.2%。発行済株式総数は9億7500万株で、株主数は 9万5000人。国内の大株主の動向では、すでにみずほフィナンシャルグルー プ(4.8%)がシティの要請に応じる方針を明らかにしている。シティは現金 で日興株を買い取る予定。

日興株の3日終値は前週末比1円(0.1%)高の1686円。

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