米トリビューン争奪戦は資産家ゼル氏に軍配-82億ドルで買収合意

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米国の資産家、サム・ゼル氏は2日、米新聞 発行大手トリビューンを約82億ドル(約9650億円)で買収することで合意し たと明らかにした。シカゴ・トリビューンやロサンゼルス・タイムズを所有する トリビューンには、ロサンゼルスの資産家ロン・バークル、エリ・ブロードの両 氏も買収案を提示していた。

ゼル氏は電話インタビューで、トリビューンに対して1株当たり34ドルを 支払うと述べた。同氏は1日、提示額を33ドルに引き上げていた。

バークル、ブロードの両氏が先週提示していた額も1株当たり34ドルだっ た。トリビューンが身売りの意向を明らかにしてから6カ月、争奪戦は終盤にな ってにわかに白熱した。20年以上も株式公開企業として新聞・テレビを運営し てきたトリビューンは売却によって株式を非公開とし、不動産業界を牛耳るゼル 氏(65)に新聞9紙とテレビ局23局を明け渡す。

ゼル氏はトリビューン買収に私財3億1500万ドルを投じる。不動産投資で 富を築いた同氏は、トリビューンの会長に就任し、同社株式の40%に相当する ワラントを取得する。

買収額は先週末のトリビューンの株価終値を6%上回るが、同社が昨年9月 に身売りの意向を明らかにした後とほぼ同水準。当時は1株当たりで最大55ド ルの買い値がつくとみられていた。

2日のニューヨーク株式市場でトリビューンの株価は上昇。現地時間午前 11時現在、前日比83セント(2.6%)高の32.94ドルで推移している。身売り の方針を打ち出す前の2年間では、株価は30%近く下げていた。

シカゴ・カブズ売却

ゼル氏は債務を削減するため、トリビューン買収完了後にはプロ野球メジャ ーリーグのシカゴ・カブズを売却する計画だと話した。トリビューンの債務は資 産売却前のベースで140億ドル近くに膨れ上がっているという。

ムーディーズ・インベスターズ・サービスのメディアアナリスト、ジョン・ パカラ氏は、「トリビューンはキャッシュフローが減少しているなかで、巨額の 債務を背負うことになる」と指摘。「この債務問題をどのように緩和するつもり なのかが注目される」と述べた。ムーディーズはトリビューンに投資適格級から 1段階下の「Ba1」を付与している。

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