電力各社:発電所点検報告を保安院に提出-東電など新たな改ざん(2)

電力10社に日本原子力発電と電源開発を加 えた12社は30日午後、発電設備の点検結果の報告書を原子力安全・保安院に提 出した。提出後に各社が行った会見で、東京電力で新たな原発データの改ざん事 例が見つかったことなどが明らかになった。

東電は、これまでに発表した改ざんや隠ぺいなどに加え、1984年に福島第 一原子力発電所(福島県双葉郡)2号機で、定期検査後の起動時に原子炉が自動 停止したことを地方自治体へ報告しなかったことを明らかにした。これを含めて 福島第一、福島第二、柏崎・刈羽の3原発で、19事例のデータ改ざんや隠ぺい があった。改ざんが複数回あった場合でも、同じ設備の同じ内容の改ざんの場合 には1事例としてまとめた。

また、東電は経営管理責任の観点から、田村滋美取締役会長と勝俣恒久取締 役社長を3カ月間にわたり30%の減給処分とし、原子力担当の武黒一郎常務取 締役と火力担当の猪野博行常務取締役を3カ月間の15%減給とした。

隠ぺい決定には現職常務が関与

1999年に志賀原発(石川県羽昨郡)1号機で起きた臨界事故隠しが問題に なった北陸電力でも、新たにデータ改ざんが3事例あったことが明らかになった。 会見した高田憲一副社長は、4月13日に抜本的な再発防止対策を発表すると述 べ、経営陣の処分について現時点では未定だとした。

臨界事故発生直後、志賀原発の緊急時対策所に14人の発電所関係者が集ま り社外へ報告しないことを決断。14人の中には、事故発生当時所長代理だった 辻井庄作・現常務取締役が含まれていたことも明らかになった。高田副社長は、 「現在常務をやっている人間の責任は重い」とし、「かかわった役員はけじめを つけるべきだ」との見解を示した。

合計97事例のデータ改ざん

このほかに、関西電力や中部電力、東北電力、日本原子力発電、中国電力も 新たにの原発関連のデータ改ざん・手続き不備を報告した。電気事業連合会は、 すでに発表されていたものに今回新たに発表されたものを合わせ、原発で計97 事例のデータ改ざんや隠ぺいが行われていたことを明らかにした。

甘利明経済産業相は30日午前、調査結果の報告に訪れた電事連の勝俣会長 (東電社長)に対し、「国民の信頼回復を目指し、襟を正してほしい」と指示し た。勝俣会長は、原発の安全性に対する信頼が失われたことを謝罪し、今回の調 査を安全性確保のために役立てたいとの意向を示した。

今回の報告は、昨年11月に中国電力が俣野川水力発電所のダムの測定値を 改ざんしていたことが発覚したのがきっかけ。経産省の原子力安全・保安院はこ れを受け11月30日に、水力だけでなく原子力や火力も含めてすべての発電設備 について、データの改ざんや手続きの不備がないか点検するよう電力各社に指示 し、3月31日までに報告するよう求めていた。

各社の原子力発電所のデータ改ざんなどの事例数は以下の通り(電事連まと め)

北海道電力   0
東北電力    8
東京電力    19
中部電力    14
北陸電力    4
関西電力    8
中国電力    29
四国電力    0
九州電力    0
沖縄電力    -
電源開発    -
日本原電    15
合計      97

  火力発電所のデータ改ざんなどの事例数は以下の通り

北海道電力   10
東北電力    14
東京電力    10
中部電力    15
北陸電力    8
関西電力    12
中国電力    34
四国電力    0
九州電力    1
沖縄電力    11
電源開発    13
日本原電    -
合計      128

  水力発電所のデータ改ざんなどの事例数は以下の通り

北海道電力   3
東北電力    8
東京電力    17
中部電力    11
北陸電力    9
関西電力    4
中国電力    17
四国電力    2
九州電力    4
沖縄電力    -
電源開発    6
日本原電    -
合計      81

東電の株価終値は前日比2円(0.2%)高の956円。北陸電力の株価終値は 前日比120円(4.4%)安の2605円。

-- Editor:Taniai

大久保義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net シンガポール Reinie Booysen +65-6212-1154 rbooysen@bloomberg.net

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