【TOPIX年度騰落率】上昇1位はメガネトップ、下落はエネサーブ

TOPIX採用銘柄の2006年度(06年4 月-07年3月)騰落率ランキングによると、上昇率1位はメガネトップで、下 落率1位はエネサーブとなった。上昇銘柄には素材・資源・海運など、この1 年間で人気化した業種からのランクインが目立つ。その半面、下落銘柄では消 費者金融を中心とする業績悪化銘柄が多数を占めた。(ランキング内容は最終 段落に掲載)

UBS証券の平川昇二チーフストラテジストはランキングの内容について、 「『大型株買い』の『小型株売り』というこの1年間の相場内容を反映してい る。素材系業種の上昇とサービス系業種の下落という業種面での明確な傾向も 出ている」と指摘した。

TOPIXの06年度の年間パフォーマンスはマイナス0.8%。全体の株価 指数は昨年3月末の水準をわずかに下回る状況下にあって、上昇率10社の変 化率分布は225-81%となったのに対し、下落率上位10社の同分布は77- 67%にとどまる。個別の騰落率ではアップサイドの方に軍配が上がる1年とな った。

素材系企業やゲーム関連が上位に

上昇率上位10社の顔ぶれで、4社を占めて最も存在感が目立ったのは素 材系業種。ステンレスの原料であるフェロニッケルでトップの大平洋金属のほ か、ステンレス専業の日本冶金工業と日本金属工業、粗鋼生産世界3位である 新日本製鉄がそれぞれ入った。中国需要を中心とするニッケル市況の高騰や自 動車向け鋼板の需要増加を背景に、製品価格に転嫁できる業界の強みが株価を 大幅に押し上げた。鉄鋼は06年度のTOPIX業種別上昇率でも2位。

続けて2社がランクインしたのは任天堂とミツミ電機のゲーム関連。任天 堂は携帯ゲーム機「DS Lite」のハード・ソフトいずれの販売も好調で、 業績期待が台頭。新型ゲーム機「Wii」の出足好調や円安なども加わり、年 間でほぼ2倍になるまでの大型相場となった。任天堂ゲーム機の急拡大は同部 品を供給する電子部品メーカーにまで及び、コントローラーを供給するミツミ 電機はその筆頭として人気化した。

個別ではイオンディ、エフテクなど

一方、個別要因が強い形で上昇した銘柄群はメガネトップやイオンディラ イト、エフテックなどがある。中でも眼鏡チェーン3位のメガネトップは上昇 率が東証1部で唯一200%を超えて年間首位。多種類レンズから選べるセット 販売のコストパフォーマンスの高さや短時間でのレンズ加工などが評価を受け、 業界全体が低迷する中で抜きん出た客数増加を実現。増額修正を繰り返すごと に株価の割安感も高まり、業界トップである三城や同2位のメガネスーパーの 株価がほぼ年間横ばいとなる中、独自の出世株への道を辿った。

また、オフィスビルなどの施設管理業界最大手であるイオンディライトは、 旧ジャパンメンテナンスがイオンテクノサービスと合併すると昨年3月末に発 表。イオングループ入りによる業容拡大への期待感から株価が春に急騰した。 今年に入ってからは、日興シティグループ証券が新規顧客獲得によって今後3 年間の経常利益成長率が28%と高評価したことも追い風となった。

このほか、上位10社から漏れた11位-20位の中の顔ぶれを見ると、新和 海運や商船三井、川崎汽船など海運の躍進ぶりが顕著となっている。海運は06 年度TOPIX業種別上昇率でもトップとなった。

大和住銀投信投資顧問の門司総一郎チーフストラテジストは、「06年度の 3大テーマは業績、配当利回り、M&A(企業の合併・買収)だった。鉄鋼や 海運といった業種はこうしたテーマを多く含んでいることが好パフォーマンス につながった」という。

下落では消費者金融が目立つ

半面、下落率で目立つのは消費者金融などのノンバンク。シンキ、クレデ ィア、UFJニコスと下落率上位10社のうち3社が同業界となった。昨年12 月、貸出上限金利の引き下げ(現行出資法で29.2%を20%に)を柱とした貸 金業法(旧貸金業規制法)が成立。いわゆるグレーゾーン金利を無くすことで 収益先行き懸念が高まったほか、「過払い金」の相次ぐ返還請求も足元の業績 悪化を加速させた。

今年度は業種別でもその他金融が下落率トップとなっている。明治安田生 命保険相互・株式運用グループの津坂睦彦グループマネジャーは「消費者金融 はビジネスモデルが崩れた。07年度も業績トレンドは厳しいだろう」と語る。

小型企業の赤字転落が続出

消費者金融と同様、個別で業績が大幅に悪化した銘柄が多数入った。下落 率首位となったのは電力小売りのエネサーブ。A重油を利用して工場などの自 家発電を代行するオンサイト発電事業を主力としていたが、原油価格の高騰で 同事業のメリットが薄れて撤退。主力事業のビジネスモデルが崩壊したことが 響いた。今月になって大和ハウス工業が同社を買収すると発表した。

また、医療機関の治験支援を行うアイロムホールディングスは、製薬会社 からの臨床試験受注がずれ込んだことなどで07年3月期は最終赤字に転落。 システム会社のニイウス コーも、金融と医療という中心分野がいずれも不振 で業績が期中に失速。07年6月期の黒字予想が一転して赤字転落見通しとなっ た。両社ともかつては成長株としての評価があっただけに、業績悪化に対する 失望の大きさが株価にも表れた格好だ。

このほか、年度を通してほぼ右肩下がりの下落となったのが既存駐車場の 活性化などを手がける日本駐車場開発。06年6月の道路交通法改正によって駐 車禁止の取り締まりが強化されたことで事業に対する追い風が期待されたもの の、新規参入の増加で駐車場オーナーへの賃貸料が上昇したことがコスト圧迫 につながった。テーマ性から05年度には株価が人気化していたことから、予 想外の業績の伸び悩みで反動安を強いられた。

<TOPIX構成銘柄の年間上昇率ランキング>06/3/30-07/3/30
順位   銘柄名(コード)       株価/変化率
1メガネトップ(7541)        2575円/225%
2イオンディライト(9787)    3680円/168%
3ミツミ電機(6767)          3900円/154%
4大平洋金属(5541)          1645円/143%
5日本冶金工業(5480)        1091円/108%
6日本金属工業(5479)         535円/129%
7任天堂(7974)             34250円/97%
8エフテック(7212)          2720円/85%
9新日本製鉄(5401)           828円/82%
10乾汽船(9113)              829円/81%

<TOPIX構成銘柄の年間下落率ランキング>
順位   銘柄名(コード)       株価/変化率
1エネサーブ(6519)           461円/-77%
2アイロムHD(2372)       17230円/-76%
3ニイウス コー(2731)      38100円/-72%
4ソフトブレーン(4779)     21010円/-72%
5日本MDM(7600)           306円/-69%
6シンキ(8568)               333円/-68%
7日本駐車場開発(2353)      8170円/-68%
8クレディア(8567)           606円/-68%
9 UFJニコス(8583)        406円/-67%
10アーク(7873)             1423円/-67%
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