ピンクイルカ保護か青空か-香港でLNGプラント建設めぐり賛否

香港では、大気汚染を軽減し青空を取り 戻そうと10億ドル(約1200億円)規模の液化天然ガス(LNG)ターミナル 建設プロジェクトが進められている。ところが、このプロジェクトによって絶 滅の危機にあるピンクイルカの生息が脅かされる可能性がある。

香港の電力会社最大手、CLPホールディングスと米エクソンモービルは、 発電用ガスを供給する香港初のLNGターミナルの建設を計画。大気汚染度の 低いガス火力発電が推進されれば、石炭火力発電などの影響で汚染された大気 の浄化につながる。

ところが、同ターミナルの建設と、それに伴う海底パイプラインの敷設が 予定されている海域付近には、約200頭のピンクイルカが生息している。香港 政府は数週間以内に、ピンクイルカの生息環境を脅かしてでも、4日に1日は 視界が曇るほどの大気汚染を軽減するため、LNGターミナル建設を進めるべ きかどうかについて決定を下す見込みだ。

香港科技大学の環境研究所のウィリアム・バロン教授は「バランスと規模 の問題だ」と指摘。「香港政府は、ピンクイルカの生息環境がある程度悪化す ることを犠牲に、大気汚染という非常に大きな環境問題の深刻度を低下させよ うとしつつある」との見方を示した。

ピンクイルカは、体温を調整するため白い皮膚の外層を血液が循環してい るためピンク色に見える。環境保護専門家やイルカ観察家らは、同プロジェク トがピンクイルカに被害を与える恐れがあると考えている。ピンクイルカは 1997年の香港返還の際、公式マスコットにもなった。

ピンクイルカの観察ツアーを主催する香港ドルフィンウォッチのシニアツ アーガイド、ジャネット・ウォーカー氏によると、毎年10頭余りのピンクイ ルカの死骸(しがい)が航路で発見される。同氏は「ピンクイルカの生息地の 海底をしゅんせつするのは健全なことではない」との見方を示した。

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