住宅ローン返済が米消費者に重荷-ホーム・デポやウォルマートに影響も

米ミネソタ州アップルバレーに住むアル・ ヤニゲスさん(65)が最初に家を買ったのは2004年のことだが、昨年10月以 来、毎月の住宅ローンの返済額が16%増えて2417ドル(約28万3000円)とな った。来月1日からは再び引き上げられる。

独立して音楽を教えているヤニゲスさんの1カ月の稼ぎは2800ドル。今は 1日1回しか食事をしていない。公共料金も支払っていない。毎月の住宅ロー ン返済も遅れ、「住宅ローンがすべてを変えてしまった」と語り、「本当にや ってられない」と嘆く。

信用力の低い借り手を対象としたいわゆるサブプライムローンで住宅を購 入した人は全米で約80万人に達する。ヤニゲスさんもその1人で、彼のような 人々は今、毎月のローン返済に苦しんでいる。こうした消費者が家具や衣料品 への支出を抑えれば、米住宅関連用品小売り会社のホーム・デポや小売り世界 最大手、米ウォルマート・ストアーズも影響を受ける公算大だ。

ニューヨークの小売りコンサルタント会社、ダビドウィッツ・アンド・ア ソシエーツのハワード・ダビドウィッツ会長は「消費の中心は食品のような必 需品になっていくだろう」とし、「消費者は締め付けられることになる」と語 る。

全米抵当貸付銀行協会(MBA)は今月13日、06年10-12月(第4四半 期)のサブプライムローンの延滞率が4年ぶりの高水準になったと発表。すべ ての住宅ローンを対象とした統計では、差し押さえが過去最悪の水準となった。

ホーム・デポ

ダビドウィッツ会長は、サブプライムローンの借り手クラスの所得者層を ターゲットとした住宅関連用品販売業者や小売業者は最大のピンチだと感じて いる可能性があると指摘する。ホーム・デポの広報担当、ジェリー・シールズ 氏はコメントを控えている。

アトランタに本社を置くホーム・デポは先月、08年1月期は少なくとも1990 年以来で初の減益になるとの見通しを示し、住宅市場の低迷をその理由に挙げ た。

ウォルマート株を含む90億ドル相当を運用するシアトルの投資会社ウエン トワース・ハウザー・アンド・バイオリッチのファンドマネジャー、パトリシ ア・エドワーズ氏は、ウォルマートでは衣料品やDVD(デジタル多用途ディ スク)などの製品の売上高が減少すると見込んでいる。

ウォルマートの広報担当、ジョン・シンプリー氏はコメントを差し控えた。 同社は3月の売上高を4月12日に発表する。ウォルマートによれば、06年の既 存店売上高は少なくとも27年ぶりの低い伸びとなった。

住宅市場の低迷はレジャー関連産業にも影響を与えそうだ。世界最大のク ルーズ会社、米カーニバルは国内の消費者が休暇での支出を減らしていること を受け、今月、カリブ海旅行を値下げした。

同社のハワード・フランク最高業務責任者(COO)は16日、消費者が「依 然としてガソリンの値上がりや金利上昇、住宅ローン返済、不動産税の影響を 感じている」と指摘した上で、「サブプライムローンの問題が一定の役割を演 じている」との見方を示した。

住宅ローン返済に苦しむヤニゲスさんは、ショッピングやクルーズは最も 縁遠いものだと話す。今は「自宅を取られないよう闘っている」のだという。

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