安倍首相:情報提供の旧厚生省は問題なし-戦犯合祀は神社が判断(8)

安倍晋三首相は29日昼、旧厚生省が靖国 神社への戦犯合祀(ごうし)に関与していたことについて、「これは問題ない と思う。合祀を行ったのは神社でしょうし、旧厚生省は情報を求められて提供 したということではないか」と述べ、問題視しない立場を示した。首相官邸で 記者団が、政教分離の観点から旧厚生省の関与の是非について質問したのに対 して答えた。

また首相は同日夜、官邸で記者団に、中国の温家宝首相の来日(4月11- 14日)に与える影響は「ないのではないか」と語った。

塩崎恭久官房長官は同日午前の記者会見で、「合祀するか、しないかは最 終的には神社側の判断で行われる」と言明。その上で、「旧厚生省として当 時、人事情報などを持っていた。それによって一般的にお答えすることはあっ た。強制しているというようなことではない」と語り、国は合祀を強制してい ないとの認識を示した。

塩崎氏は、戦犯合祀に政府が積極的に関与していたことが、日中、日韓関 係に与える影響を問われると、「合祀の判断はそれぞれの神社が行う。特に新 たなことが出ているわけではない」と答え、影響の有無には言及を避けた。

また、塩崎氏は同日午後の記者会見で、自民党内の一部に出ているA級戦 犯の分祀論へのコメントを求められたが、「それぞれの方々が真剣にこの問題 について考えてお考えを述べられているものだと思っている」と指摘し、「い ろいろな方々のご意見を聞きながら、われわれもきちんと対処していきたい」 と述べるにとどめた。

一方、民主党の菅直人代表代行は29日午後の記者会見で、「靖国神社は戦 前、完全に軍の管理下にあった神社だ。それが戦後一宗教法人になったという 法律上の位置付けがある」と指摘。その上で、「どういうプロセスで物事が進 んできたのか、まずは史実関係をしっかりと確認していく」と語り、事実関係 の検証を進める考えを示した。

ブルームバーグ・ニュースは29日、国立国会図書館が公表した「新編靖 国神社問題資料集」を入手。同省は戦犯などの合祀について神社側と頻繁に協 議を重ねていたことが明記されている。

同資料集に盛り込まれている靖国神社側が1969年に作成した「合祀に関 する検討資料」には、「法務死没者(イ)A級(12名)、(ロ)内地未決死没 者(10名)-合祀可」と明記され、「合祀可」に関して、「総代会の意向もあ るので合祀決定とするが外部発表は避ける」との注意書がある。

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