ノルウェー・クローネがキャリートレードの人気通貨に-利上げで(2)

インフレ抑制を目指すノルウェー中 央銀行による利上げを受け、同国通貨クローネは、高利回り通貨として 人気を集めるとみられる。

JPモルガン・プライベート・バンク(運用額3900億ドル)のチー フ外国為替トレーダー、ポール・バレット氏は、「ノルウェー・クロー ネは有望だ」とし、「利回り追求の動きがある。利上げでクローネの魅 力が高まっている」と指摘した。

ノルウェー中銀は15日の利上げで政策金利の基準預金金利を4%に 引き上げた。これは2005年6月30日以降で9回目の利上げ。同中銀は さらに、政策金利を来年最高5.25%に引き上げる可能性を示した。バレ ット氏は最高6%への利上げの可能性があるとみている。

クローネの対ドル騰落率は一連の利上げを追い風に、ブラジル・レ アルと豪ドルに次いで世界3位に浮上した。利上げは、円などの低金利 通貨で資金調達して高利回り資産に投資するキャリートレードを行う投 資家を引き付ける可能性がある。日本の政策金利は0.5%と、主要国で 最低。

FXコンセプツのジョン・テイラー会長は、「ノルウェー・クロー ネに対する市場のセンチメントは良好だ」と述べ、「ノルウェー中銀が ほかの中銀よりも速いペースで利上げを進めているため、クローネは堅 調になるだろう」と予想した。

クローネはニューヨーク時間午前26日9時7分現在、対ドルで1ド ル=6.1224クローネと、前週末の同6.1192ドルから上昇。また対ユー ロでは1ユーロ=8.1270クローネと、前週末の8.1284クローネから上 げた。ブルームバーグがエコノミスト26人を対象に実施した調査の中央 値では、クローネは年末までに対ユーロで3.9%、対ドルでは4.4%の上 昇が見込まれている。

クローネの過小評価

サクソ・バンクのストラテジスト、デービッド・カースボール氏 (コペンハーゲン在勤)は、「クローネは主に一握りの地元銀行に取引 されているだけで、国外からはほとんど注目されていない」と述べた。 さらに、「金利が上昇し始めれば、状況は変わる可能性がある」と指摘 した。

同氏の見方では、クローネは対ユーロで約10%過小評価されている。 取引が少ないことが一因だという。

ゴールドマン・サックス・グループは2月のリポートで、クローネ は対ユーロで最大3割過小評価されている可能性があると指摘していた。 ノルウェー中銀が利上げを進めるなか、米金利先物市場は、米連邦準備 制度が年末までに政策金利を4.75%に引き下げる確率を74%と示してい る。欧州中央銀行(ECB)は来年政策金利を4.25%に引き上げるとみ られ、オーストラリア準備銀行は政策金利を6年ぶり高水準の6.25%に 据え置くと予想されている。

JPモルガン・チェースの3月14日付リポートによると、クローネ は年末までに1ドル=5.66クローネと、1992年9月以来の高値を付ける 見通し。対ユーロでは同期間に1ユーロ=7.7クローネと、03年3月以 来の高値に達するという。BNPパリバやシティグループ、ドイツ銀行、 モルガン・スタンレー、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グ ループ、UBSもそろって、ドルやユーロ、スウェーデン・クローナな どの主要通貨に対してクローネを買うよう推奨している。

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