米モルガンSとシティ、ブラックストーンのIPOで「名誉」の幹事獲得

モルガン・スタンレーとシティグループに とって、米買収ファンド大手、ブラックストーン・グループの最大40億ドル(約 4720億円)規模の新規株式公開(IPO)で幹事の業務を獲得したことは、1 億6000万ドルの手数料以上の意味がある。

リーマン・ブラザーズ・ホールディングスの元バンカーでサウス・ビーチ・ キャピタル・マーケッツ(マイアミ)の社長ブルース・フォースター氏は「こ れは一流の案件だ」として、「手数料の面でも引き受けランキングという点でも 大きな意味がある」と指摘した。

ブラックストーンのIPOは年初来で最大規模となる。同業のプライベー トエクイティ(未公開株)投資・ヘッジファンド運用会社、フォートレス・イン ベストメント・グループが2月に実施した6億8300万ドル規模のIPOが小さ く見えてしまうほどだ。今年の株式引き受けで現在1位のJPモルガン・チェ ースと、2006年のIPO引き受け1位のUBSはブラックストーンの案件では 起用されなかった。投資会社へのM&A(企業の合併・買収)アドバイスで1 位のゴールドマン・サックス・グループも含まれていない。

今年のIPOの平均引き受け手数料率4%に基づく1億6000万ドルの手数 料は、幹事の2社に加え、メリルリンチとクレディ・スイス・グループ、リー マン、ドイツ銀行が分け合うことになる。フォートレスの案件のように料率が 6%なら、手数料の合計は2億4000万ドルとなる。

ブラックストーンの広報担当者ジョン・フォード氏は料率や引受業者の選 定過程についてコメントを控えた。

フォートレスの株価は公開後51%上昇している。フロリダ大学の金融学教 授ジェイ・リッター氏は「フォートレスの株価堅調が、ヘッジファンドやプラ イベートエクイティ(未公開株)投資ファンドの株式公開意欲を高めたことは 確かだ」と話した。

ブルッキングズ研究所の客員研究員マーティン・メイヤー氏は、ブラック ストーンの株式公開の決定は、同業他社にも株式公開を促す可能性があると語 る。同氏は「他社を非公開化するのを仕事にしてきた各社が、自ら株式を公開 するという逆転現象が起こっても驚かない」として、「高収益力の評判をてこに 市場から資金を集めようとするところが、ほかにも現れるだろう」と語った。

事務幹事となるモルガン・スタンレーは特に、ブラックストーンIPOに よって名を上げることになるだろう。ブルームバーグ・データによると、同社 は年初来のIPO株引き受けで3位。2004年以来、年間で1位になったことが ない。また、シティが1位だったのは02年が最後だ。

しかし両社は安心してはいられない。ブラックストーンIPOでゴールド マンとUBSが起用されなかったのは、両社が、利益相反が生ずるような別の 案件を抱えているからかもしれないとフォースター氏は言う。「ゴールドマンは 明日にも、別の投資会社の案件を明らかにする可能性もある」と同氏は述べた。

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