日本の停滞予見したウッド、リーディング両氏:そろって利上げ賛成に

日本の「失われた10年」を、15年前に正 しく予見したクリストファー・ウッド氏(49)とブライアン・リーディング氏 (71)は現在そろって、日本銀行が迅速に利上げすべきだとの見解を示してい る。

ウッド氏は現在、CLSAの主任株式ストラテジスト。リーディング氏は ロンバード・ストリート・リサーチのディレクターだ。両氏は一緒に働いたこ とはないが、日銀が利上げをすれば世界最大規模の貯蓄を持つ国民の利子収入 が増え、景気にプラスとなるとの点で意見が一致している。両氏はまた、利上 げが銀行の収益力を高め、株価を上昇させ、10年にわたるデフレとの闘いの勝 利につながると考えている。

香港在勤のウッド氏は、「日本の金利が正常化されるべきだという見解を 人々は受け入れるようになるだろう」と話す。同氏は日経平均が20年ぶり安値 を付けるより10年前の1992年10月に「バブル・エコノミー 日本経済・衰退 か再生か」を出版した。同氏は「しかしながら」日本の金利正常化が「向こう 3カ月の間に起こるという自信はゼロだ」と付け加えた。

伝統的な経済学では、金利上昇が融資や消費を抑制し、景気を減速させる と考えられている。ブルームバーグ・ニュースがエコノミスト49人を対象に実 施した調査で、20日の利上げを予想する者はいなかった。

92年6月に「Japan: The Coming Collapse(日本:来るべき崩壊)」を出 したリーディング氏もウッド氏に同意する。「今日の間違った議論の最たるも のは、日銀が利上げすると需要が後退するという説だ」とリーディング氏は述 べた。

リーディング氏は日経平均について、向こう5年で3万円に達する可能性 があると予想。貯蓄に対する利子収入が増えれば、消費と成長の押し上げ要因 となると解説する。同氏は「道は平たんではないだろうが、中期的には日経平 均は他の指標を上回るパフォーマンスを上げると思う」と話した。

CLSAは日経平均が今後5年で2万5000円に上昇するかもしれないと 予想する。ウッド氏は、資産価格再膨張をにらみ、みずほフィナンシャルグル ープや三菱地所を有望視している。

92年に野村インターナショナル・マネー・マネジメントの顧問だったリー ディング氏は著書で、90年代初めの日本経済を「自滅必至の腹切り経済」と形 容した。ウッド氏は当時、英誌エコノミストの編集幹部だった。同時期に、日 本について両氏ほどの弱気派はほとんどいなかった。

英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は92年6月の書評で、「リーディ ング氏が予想するメルトダウンの兆候が、東京では見られない」と書いた。

日経平均は結局、2003年4月28日に、20年ぶり安値の7607.88円まで下 落した。

日銀は90年代に景気浮揚のためゼロ金利を続け、06年7月にやっと利上げ を実施した。政府当局者や多くの投資家は、デフレ脱却のため低金利維持が必 要だと主張している。

しかしウッド氏とリーディング氏は異なる考えだ。日銀によると、日本の 家計は資産の51%を銀行預金としている。両氏は、金利上昇は銀行の利ざやを 拡大させると指摘する。また、金利上昇で家計所得が増えれば、土地への投資 が活発化し、デフレ終えんにつながるとみている。

ウッド氏は「日銀が徐々に利上げをするのではなく、一挙に1.5%まで政策 金利を引き上げるべきだ」として、「日本の金利正常化は、絶好の株買いの好 機を提供するだろう」と話す。同氏は日本について強気に転じた理由を、日本 の銀行と不動産会社にとって最悪期は過ぎたと信じているからだと説明した。

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