米住宅価格:今年は10%下落か、リセッションの引き金にも-メリル

米証券会社メリルリンチはリポートで、住 宅投資会社の融資基準引き締めが今年の米住宅価格を10%下落させ、米国にリ セッション(景気後退)をもたらす恐れがあるとの見方を示した。

サブプライム住宅ローンの延滞率が4年ぶり高水準となるなかで、サブプ ライムローンで米2位のニュー・センチュリー・ファイナンシャルなどの住宅 金融会社は破たんのリスクに直面している。2006年初め以来、業務閉鎖や身売 りに追い込まれた住宅金融会社は20社以上となり、規制当局は貸し手に融資基 準の厳格化を求めている。

メリルのアナリスト、デービッド・ローゼンバーグ氏はリポートで、「仮に 問題がサブプライム住宅ローンだけに限られるとしても、住宅価格を大幅に押 し下げ、建設活動や個人消費に大きな影響をもたらす恐れがある」としている。

住宅市場低迷は家具や家電製品などの売れ行きにも影響し、建設業界の不 振は銅などの需要を後退させるとみられる。この結果、米金融当局が1ポイン トの利下げを実施しない限り、年末までに失業率は5%を超え、リセッション 入りの確率は「100%に非常に近づく」とローゼンバーグ氏はみている。ローゼ ンバーグ氏は、「われわれが最も恐れるのは」サブプライムローンからの「波及 効果だ」と述べた。

ローゼンバーグ氏は以前から、米経済について弱気の見方を示している。 06年10月には、当局が今年3月末までに0.5ポイントの利下げをすると予想し ていた。

クレジットサイツは3月1日付のリポートで、サブプライム住宅ローンの デフォルト(債務不履行)増の結果、53万3000戸超の住宅が市場に出てくると 予想した。この場合、新築・中古住宅の在庫は約13%増える。全米不動産業者 協会(NAR)と米商務省によると、1月は米国で409万戸が売りに出されて いた。

ローゼンバーグ氏は、サブプライム住宅ローンが住宅販売を少なくとも年 20%かさ上げしていたと見積もっている。同氏によると、このかさ上げ効果が なくなることで、米国内総生産は0.5ポイント押し下げられる。

一方、米ゼネラル・エレクトリック(GE)傘下のGEマネーの最高経営 責任者(CEO)としてサブプライム住宅金融会社WMCモーゲージを統括し ているデービッド・ニッセン氏は、融資基準を引き締めれば現在の危機の原因 となった構造的問題が解決すると語る。同氏は、「衝撃は短期的なものだ」とし て、「今年末までには、一連の動きは終息しているだろう」と述べた。

WMCは先週、従業員の20%を解雇し、信用力の低い借り手への融資を停 止した。

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