米財務省、金融市場改革案を数カ月以内に公表へ―スティール次官

スティール米財務次官(国内財政担当)は 12日、ワシントンでインタビューに応じ、米金融市場の競争力低下を防ぐ計画 を財務省が数週間あるいは数カ月以内にまとめることを明らかにした。同次官 はゴールドマン・サックスの前副会長。

同次官は「これは重要な問題であり、あれこれ考えて対処せざるを得なく なる前に早急に対処すべきだ」と述べた。

米財務省は13日、ワシントンで米資本市場の競争力に関する会議を開催す る。金融業界をめぐる規制や会計手法、法律問題について幅広い意見を取り入 れることが狙い。スティール次官は財務省が会議後に短期および長期的な推奨 策をまとめるが、法制化あるいは規制の変更には数年かかるものもあるとの見 方を示した。

会議はポールソン財務長官が主催し、投資・再保険会社バークシャー・ハ サウェイの会長を務める資産家ウォーレン・バフェット氏のほか、グリーンス パン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長らも招待されている。

スティール次官によると、会議の顔ぶれは財務省が抱える課題の重要性を 強調し、米資本市場の規制を抜本的に改革することへの協議を始められる超党 派グループになっている。

3つの報告書

米金融市場の改革をめぐっては昨年11月以降、3つの報告書が公表されて いる。これらでは企業改革法(サーベンス・オクスレー法)の定める会計手法 から訴訟費用の増大まで幅広い問題が、投資家にウォール街を離れロンドンや 香港市場などほかの金融センターに向かわせる原因になっているとの見方が示 された。

スティール次官は、一連の会計スキャンダルの反省から2002年に導入され たサーベンス・オクスレー法に対する批判が強すぎると指摘した。

経済的な重要性

経営コンサルティング会社マッキンゼーによると、金融サービス産業は国 民所得の8%に相当し、米経済のなかでは製造業と不動産に次ぐ3番目に大き な産業となっている。

ニューヨークのマイケル・ブルームバーグ市長とチャールズ・シューマー 米上院議員(民主、ニューヨーク州)が委託した報告書は、米国が法体制と規 制制度を変更しなければ、今後10年以内に世界最大の金融センターという地位 を失う恐れがあると結論付けている。

欧州の2006年の投資銀行業務の収入は980億ドルと米国の1090億ドル に迫っており、欧州の金融業界は米国に肩を並べようとしている。マッキンゼ ーによれば、02-05年にニューヨークの金融業界に従事する0.7%に相当する 2000人が職を失った一方、同時期にロンドンでは人員が4.3%増えたことを受 け、ブルームバーグ市長らは報告書の作成を委託した。

米商工会議所は12日、別の報告書を発表。米政府は規制制度を見直し、刑 事訴訟から企業を守るべきだとの見解を示した。スティール次官は昨年10月の 就任まで商工会議所の共同会頭を務めていた。

SECの変化

米証券取引委員会(SEC)は昨年12月、サーベンス・オクスレー法によ る監査費用を抑え、企業の負担を減らす新たな指針を提唱。財務諸表の誤った 申告につながるような項目に絞るよう企業に指示している。

米監査業界を監督する民間団体である上場企業会計監視委員会(PCAO B)は、外部の監査法人による会計監査義務を排除するよう提案している。

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