米シティグループ:日興コーデ買収で基本合意へ、6日にも発表(3)

米シティグループが不正会計問題で揺れる日 興コーディアルグループを買収することで合意に達する見通しとなった。TOB (株式の公開買い付け)を通じて傘下に収め日興の信用を補完するとともに、日 本での証券業務を強化する。6日にも発表する。複数の関係者が明らかにした。

シティが日興への出資比率を現在の約4.9%から経営の重要事案に拒否権を 持つ33.4%超に高める。TOBの結果次第では50%超を取得する可能性もある。 日興は6日朝、「シティとはこれまでも提携関係にあり、さまざまな点から交渉 を続けている」とコメント。重要事項が決定次第、速やかに開示すると発表した。

早期の信用回復目指す

日興は不正な利益水増しで金融庁から課徴金支払い命令を受け、東京証券取 引所は同社株式を上場廃止の恐れのある監理ポストに割り当てている。こうした なか、証券業務強化を目指すみずほフィナンシャルグループも日興買収に意欲を 示していたが、同グループ幹部が先週、その計画を断念する方針を表明していた。

不正会計を理由に米格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズやムーデ ィーズは相次いで日興の格付け引き下げや、今後の格下げの可能性を表明。日興 の株価は昨年12月18日の監理ポスト入り後、特別調査委員会が組織的な関与を 認めた1月末以降、値幅制限の下限(ストップ安)などで問題発覚前から最大で 30%以上も下落。その後はシティやみずほなどの支援報道もあり持ち直している。

住信アセットマネジメント・株式運用部の羽賀誠氏シニアファンドマネジャ ーは「シティはもともと日興の親密先であり意外感はない。日興にとって上場廃 止の際の影響にも配慮した唯一でベストの選択肢だ」と指摘。シティとしては 「日興買収を日本市場でもう一度ビジネスを拡大する足がかりとなる」とみる。

海外の金融機関による日本の大手証券の買収は初めて。東証は3月中旬まで に上場廃止の是非について結論を出す方針だが、シティと日興は、それ以前に新 たな戦略提携策を打ち出すことになった。現在の株価水準で試算すると3分の1 の取得には約3300億円、5割なら5200億円程度の資金が必要になる。

シティは日本でビジネス拡大

シティは7月までに日本で金融持ち株会社を設立し、個人業務を扱う店舗を 数年内に現在の2倍の50拠点程度に拡大する計画を1月末に発表したばかりで 東証上場も検討している。日興買収が成功すれば、一気に日本でのビジネスを拡 大できる。日興は昨年12月末現在で主にリテール営業の109の店舗網、約1万 2000人の従業員、個人と法人を合わせて43兆4000億円の預かり資産を抱える。

外資による日本の大手証券を通じた証券業務の強化では、米メリルリンチ証 券が、当時4大証券の一角だった山一証券の1997年11月の自主廃業を受け、そ の翌年に33支店と営業員2000人を引き継いだ例がある。ただ、今回シティは通 常通り営業を続けている大手証券の買収となる。

日興は、同社株式が昨年12月18日の監理ポスト入り以降、トップ交代や不 正会計の事実を究明した報告書の公表、再発防止策の策定、前経営陣らへの損害 賠償請求など過去との決別を打ち出し、信用回復と上場維持に向けた取り組みを 見せていた。

日興コーデ株の6日午前終値は前日比166円(14.8%)高の1345円。

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