UBSなど運用大手:満場一致で米株に強気維持-世界株安に動揺せず

ウォール街の大手資産運用会社やストラテジ ストは一歩も譲らない。

運用担当者やストラテジストらは、先週の株価下落にもかかわらず、4年 続いた米国株の上昇はまだ続くとの予想を堅持している。S&P500種株価指 数は先週1週間で、2003年1月以来最大の下落を演じた。

好成績の米株ファンドを運用するパトナム・インベストメンツや資産運用 大手ブラックロックは、株価は割安だと指摘する。米銀シティグループとスイ スのUBSは、米国株の買い増しを推奨した。ブルームバーグ・ニュースの調 査対象のストラテジスト15人は全員、2日時点で米株について強気予想を維持 している。S&P500種は同日、1.1%下落し、週ベースでは4.4%下がった。

パトナムの投資責任者ケビン・クローニン氏は「米市場について、2006年 末よりも楽観的な見方をしている」として、先週の売りは「若干行き過ぎ」だ ったとの見方を示した。

ブルームバーグ・ニュースがまとめた調査によると、ストラテジストは平均 で、S&P500種が今後1年で12%上昇すると予想している。

先週の下落後のS&P500種構成銘柄の予想PER(株価収益率)は平均 で15倍と、過去10年の月間平均の27.3倍に比べ45%低い。

クローニン氏は、米国のハイテク株と消費関連株、住宅建設株は「妙味が 増した」として、保有を増やす考えを示した。パトナム・インベスターズ・フ ァンド(運用資産41億1000万ドル=約4770億円)は過去5年の運用成績が 同種のファンド92%より高い(ブルームバーグ・データ)。

投資ファンド

ブラックロックのロバート・ドール氏とUBSのデービッド・ビアンコ氏 は、プライベートエクイティ(未公開株)投資ファンドが今年の投資資金とし て持つ概算で1兆6000億ドルが、株価反発の原動力になると予想する。

一方、独ドレスナー銀行の投資銀行部門ドレスナー・クラインオートはウ ォール街の楽観論とは一線を画す。同社は先週、株価下落は終わっていないと の見方を基に、株式の保有を減らし国債を購入することを勧めた。

世界株安が始まった2月27日以来、米株市場では8000億ドル余りが失わ れた。先週の指標によると、1月の米新築住宅販売は13年ぶりの大幅減少とな り、06年10-12月(第4四半期)の経済成長率は下方修正された。住宅ロー ンのデフォルト(債務不履行)は2000年以来のペースで増えている。

ブルームバーグ・データによると、アナリストは07年1-3月(第1四半 期)の企業利益予想を年初以来半分に引き下げている。昨四半期の利益が予想 に届かなかった企業は2000年代に入って最大に上った。

グリーンスパン前議長のリセッション

グリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長は先週、企業の利 益率はピークに近く、経済は成長サイクルの成熟期にあるとの見方を示した。 さらに、米国のリセッション(景気後退)について、可能性は高くないがあり 得ないことではないとの考えも示した。

しかし、ブラックロックの世界投資責任者ドール氏は、世界経済の堅調は 今年いっぱい続き、S&P500種を12%高の1549まで押し上げると予想する。 同氏は、今回の下げが「大規模な弱気相場にはつながることはない」として、「買 いの好機が来るだろう」と話した。また、新興市場のような高リスク投資から 段階的に撤退し、エネルギーやハイテク業界の大手企業株を「徐々に増やす」 ことを勧めた。

同氏は米マイクロソフトやIBM、シスコシステムズなどを挙げた。ブラ ックロック・ラージ・キャップ・コア・ファンドは過去5年に、95%の同種フ ァンドよりも高い運用成績を上げている。

先週の株価下落のきっかけとなったのは中国本土市場の株価急落だった。 上海・深セン300指数は2月27日に9.2%下落し、世界株安の引き金を引い た。ダウ工業株30種平均も一時、546.20ドル下落した。

2月27日

ダウ工業株30種平均は2月27日、3.3%安で終了。S&P500種株価指 数は3.5%安と、2003年3月以来最大の下落となった。投資家の不安度を測る シカゴ・オプション取引所(CBOE)のSPXボラティリティ・インデック ス(VIX指数)は過去最大の上昇を演じた。

先週のモルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSC I)新興市場株指数の下落幅は6.7%と、06年6月6日までの週以来で最大。 ワールド指数は4.5%安と2002年9月以来で最大の下げだった。

パイオニア・インベストメント・マネジメントで120億ドルの運用に携 わるジョン・キャリー氏は、「投資家はときに怖気づき、一斉に売りが出ること がある」が、「年初に株式は買いだと思った人にとっては、もう1回買いの好機 が来たことになる」と話す。シティグループ・インベストメント・リサーチの トビアス・レブコビッチ氏とUBSのビアンコ氏も株価下落の好機を生かした 買い増しを推奨した。

全員が強気

ブルームバーグ・ニュースの調査に答えた15人のストラテジストは全員、 米国株の今年の上昇を予想した。S&P500種株価指数の年末または1年後の 予想は平均で1549。先週末は1387.17だった。前回、全社のストラテジスト が米国株上昇予想で一致したのは2001年。同年のS&P500種は13%下落だ った。

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