メキシコ:トルティーヤ値上がりでインフレに拍車-ペソを押し下げ

1000年前のマヤ文明時代からメキシコの日 常食とされてきたトルティーヤの原料コスト上昇が、メキシコ・ペソ下落の一 因となっている。

トルティーヤの主な材料であるトウモロコシの価格上昇を受け、トルティ ーヤ価格は1月に5.9%値上がりした。これは過去8年で最大の上昇率だった。 こうした値上がりがメキシコのインフレに拍車を掛け、債券相場は急落し、ペ ソに対する需要が落ち込んでいる。ペソは過去1カ月で2.3%下落し、ブルーム バーグが調査対象とする通貨70種類の対ドル相場下落率で2番目を記録した。

メキシコの独立系証券会社で最大手バロレス・メヒカーノの債券トレーダ ー責任者、エドゥアルド・ペレス氏は、「トルティーヤ価格の上昇は、賃上げ 要求やインフレ高進につながるだろう」と述べ、「このような状況を好まない 外国人投資家が売っている。これが直接、ペソ安に関係している」と指摘した。

ペソは対ドルで過去1カ月に1ドル=11.2165ペソに下落。2007年の下落 率は3.5%に達した。過去1カ月の下落率で最大だったのは、南アフリカ共和国 のランドの3.1%。

米景気の減速がメキシコの輸出品に対する需要の減退や海外労働者の本国 送金の減少につながっていることも、ペソ下落の一因だ。海外で暮らすメキシコ 人の昨年の本国送金は、1カ月平均で約20億ドルだった。

トウモロコシ価格の上昇が続けば、ペソは向こう数カ月にわたってさらに 下落しそうだ。カルデロン大統領は政権への支持をてこ入れするため、1月18 日にトルティーヤメーカーとの間で価格凍結を取りまとめていたが、この合意 は来月で期限が切れるため、値上げの動きにつながる可能性がある。

メキシコ市の証券会社、ベクトル・カーサ・デ・ボルサのエコノミスト、 ルイス・ラウル・ロドリゲス氏は、「合意の期限が切れる4月末か5月初めに ペソのリスクが台頭し始めるだろう。インフレ圧力が高まり始めて債券の需要 が落ち込む」と予想し、「危険な時になるだろう」と語った。

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