みずほFG:日興コーデの買収を断念-米シティとの提携を模索へ(4)

みずほフィナンシャルグループは、日興コ ーディアルグループへの買収を断念する方針を固めた。一時は不正会計で信用 力の低下した日興への支援を通じた買収やグループ化を視野に入れたが、日興 と戦略提携の関係にある米シティグループが本格支援に乗り出したため、方針 を転換する。日興に5%弱とみずほと同程度を出資するシティとの関係を強化 して海外業務などを拡大する狙いだ。

みずほ幹部によれば、3月にもシティ側と協議の場を持ち、日興をめぐる 対応に加え、業務提携を含めた今後の協力関係などについて話し合いを始める 可能性がある。海外業務の強化を視野に昨年末にかけニューヨーク証券取引所 上場や米金融持ち株会社(FHC)として登録したみずほはシティとの関係強 化により海外企業の株式引き受けなど投資銀行業務の拡大につなげる。

大きな買収、みずほに負担との声も

みずほは昨夏に公的資金を完済。現在は営業基盤の拡大のための投資をし ながら利益も蓄積する段階に入っている。特に投資銀業務では最近、大型案件 が目立つ日本企業による世界戦略としての外国企業の買収など、クロスボーダ ーのM&A(合併・買収)助言の強化などを目指している。しかし、買収助言 や株式の引き受け業務ではシティに水をあけられているのが実態だ。

野村証券の守山啓輔アナリストは「公的資金を返済したばかりのみずほに とって大きな買収は負担であり時期尚早だ。一方で、これまで海外業務戦略を 自力で展開できるかが疑問だったみずほがシティと提携するのは堅実な選択と 言える」と評価する。シティが目指している日興株33.3%超の取得には3600 億円規模の投資が必要となる。

日興は旧経営陣が関与した不正会計を機に証券市場で信用が失墜。日興株 を4.9%、合弁会社の日興シティグループ証券株49%を保有するシティは、株 式公開買い付け(TOB)の実施などにより経営の重要事案に拒否権を行使で きる規模まで持ち分を増やす方向で日興と交渉に入っている。みずほは保有す る日興株4.8%は維持する方針で、今後は日興やシティなどとの協議を通じて 日興株を増やす可能性もある。

欧米の投資銀行が「競争相手」

みずほFGでは傘下のみずほ証券(現在は非上場)が来年1月にグループ 傘下の新光証券と合併する予定で、投資銀行業務では米ウォール街で活躍する 米大手金融機関などと伍していく決意を表明している。日興獲得により証券業 務を一気に拡大する機会をうかがっていた。シティの出方を受け方針を転換し たみずほだが、金融当局の支援などがあれば再び攻勢に転じる公算もある。

日興は昨年12月末現在で約1万2000人の従業員と109の店舗網、個人と 法人を合わせて43兆4000億円の預かり資産を抱える。ブルームバーグ・デー タによれば、2007年のM&Aアドバイザリー・ランキングではシティの2位に 対してみずほが5位、株式引き受けではシティが3位、みずほは5位にとどま る。米FHC登録も海外業務を広げるための足がかりとする。

日興の不正会計問題では、昨年末に表面化した不正会計を受けグループの 役員6人が辞任に追いこまれた。米スタンダード・アンド・プアーズなどの格 付け会社が格付けを引き下げ、東京証券取引所は現在、日興株の上場廃止を判 断する監理ポストに割り当てている。東証は27日、日興が同日、監査法人の承 認を得て提出した訂正有価証券報告書などを精査したうえで今後、2週間程度 で結論を出す見通しだ。

日興広報部の和田慎一氏は「従来通りいろんな施策を検討しているという スタンスは変わっていない」と述べるにとどめ、みずほの方針転換などについ て言及を控えた。みずほFG広報担当の塩野雅子氏は現時点で決まっている事 実はないとしている。

日興コーデ株の27日終値は前日比17円(1.3%)安の1347円。

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